2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫担当細胞を活性化するCpG-DNA塩基配列の同定とその作用機構の解明
Project/Area Number |
13670266
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
伊保 澄子 福井医科大学, 医学部, 助手 (80151653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横地 高志 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20126915)
岩崎 博道 福井医科大学, 医学部・付属病院, 講師 (10242588)
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Keywords | CpG DNA / Bacterial DNA / Plasmacytoid Dendritic Cells / INF-α / IRF-7 / STAT1 / p38 MAPK / ISGF3 |
Research Abstract |
「目的」CpG DNAの免疫刺激作用は、CpG DNAの塩基配列、標的細胞、及び誘導されるサイトカインの種類によって異なる。我々が同定したヒトIFN-γ誘導性g10gacgaはNK細胞、活性化T細胞に作用するがB細胞には作用しない。CpG DNAの作用はマウスとヒトで異なることがあるが、g10gacgaはマウスでもヒトと同様な活性を示した。そこで我々はg10gacgaには種を越えた免疫刺激作用があると考え、その作用機構を検討する計画を立てた。今年度はg10gacgaのIFN-α誘導機構を、PDCを用いて検討した。「結果と結論」(1)g10gacgaはautocrine IFN-α非依存性にIFN-α産生を誘導した。対照oligo DNAにその活性はなかった。g10gacgaの作用はendosomal maturationを必要とし、TLR-9KOマウスでは活性が見られなかった(2)分離直後のPDCにはIRF-7が発現されており、g10gacga処理5時間で発現が増強した。p38MAPKも燐酸化され、IRF-7の増強はp38MAPK inhibitorで抑制された。これらの発現はIFN-α/β抗体で抑制されなかった。(3)g10gacgaのSTAT1 Tyr-701/Ser-727燐酸化は2時間で冗進し、autocrine IFN-α/β非依存性である一方、P38MAPK依存性であった。IFN-αによるSTAT1リン酸化がp38MAPk非依存性であったことから、PDCにはCpG DNA特異的STAT1活性化経路が存在すると考えられた。(4)PDCの核にはg10gacga処理3時間で燐酸化STAT1、STAT2、IRF-9が検出され、STAT1の活性化がISGF3の形成とIRF-7の転写に関わっていることが示唆された。(4)同時に恒常的IRF-7の核移行もみられ、aurocrineIFN-αの関与も示唆されたが、IFN-αの産生がp38MAPK inhibitorで完全に抑制されたことから、IFN-α誘導シグナルはCpG DNAによる直接的STAT1活性化によるところが大きいと考えられた。
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