2002 Fiscal Year Annual Research Report
BCG生菌によるTh1型防御免疫誘導における生菌由来分化誘導因子の同定とその機構
Project/Area Number |
13670270
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河村 伊久雄 京都大学, 医学研究科, 助手 (20214695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光山 正雄 京都大学, 医学研究科, 教授 (10117260)
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Keywords | Mycobacterium bovis BCG / Mycobacterium tuberculosis / IL-12 / Toll-like receptor / NF-κB / マクロファージ |
Research Abstract |
1.Th1型サイトカイン産生誘導因子の解析 Mycobacterium. bovis BCGの生菌早期培養上清中には、マウスマクロファージを刺激してIL-12p40産生を誘導する因子が存在する。この活性はDNase処理には影響を受けなかったが、proteinase K処理により減弱した。しかし、proteinase K処理後も有意なIL-12p40産生誘導活性が残存することから、BCG早期培養上清によるIL-12p40産生誘導にはタンパク性および非タンパク性の分泌因子が関与すると考えられた。M. tuberculosis H37Rvについて同様の解析を行ったところ、その早期培養上清中にもIL-12p40産生誘導活性が認められた。proteinase K処理による影響を調べた結果、BCGの場合と同様にH37Rv由来培養上清のサイトカイン誘導活性にもタンパク性および非タンパク性分泌成分が関与することが示された。また、これらサイトカイン産生誘導因子のうちproteinase K処理に耐性な因子は分子量50kDa以上、proteinase K感受性因子は10k-50kDaのフラクションに分画されることが示された。 2.IL-12産生誘導機構の解析 IL-12p40の発現に必須の転写因子であるNF-kBの活性化を指標にしてIL-12産生誘導機構について解析を行った。その結果、BCG生菌培養上清はToll-like receptor(TLR)2を発現したHEK293細胞のNF-kBの活性化を誘導したが、TLR4を発現したHEK293細胞のNF-kBの活性化は誘導しなかった。また、H37Rvの培養上清で刺激した場合のNF-kBの活性化もTLR2を発現したHEK293細胞でしか認められなかった。BCGおよびH37Rvの培養上清中には少なくともproteinase K感受性および抵抗性の2種類のIL-12p40産生誘導因子が存在するが、この結果はこれら因子によるサイトカイン産生誘導が、いずれもTLR2を介するものであることを示しており、このようなligandとTLR2のinteractionが結核に対するTH1型宿主防御免疫の誘導に重要であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yutaka Ito: "Seeligeriolysin O, a cholesterol-dependent cytolysin of Listeria seeligeri, induces gamma interferon from spleen cells of mice"Infection and Immunity. 71・1. 234-241 (2003)
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[Publications] Terumi Kimoto: "Differences in gamma interferon production induced by listeriolysin O and ivanolysin O result in different levels of protective immunity in mice infected with Listeria monocytogenes and Listeria ivanovil"Infection and Immunity. 71・5(In press). (2003)