2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670278
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
前野 伸昭 鹿児島大学, 医学部, 助手 (20305113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
又吉 盛健 鹿児島大学, 医学部, 講師 (00128456)
吉家 清貴 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70174886)
小田 紘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40107868)
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Keywords | バルトネラ属菌 / 血管内皮細胞 / 接着分子 / ネコひっかき病 / 新興・再興感染症 / 人獣共通感染症 / Bartonella henselae / サイトカイン |
Research Abstract |
昨年までの検討でネコひっかき病の原因菌であるBartonella henselaeは,血管内皮細胞接着分子の発現を増強させることを確認した。一方,接着分子と共に炎症細胞の局所への動員に重要な役割を果たすものとしてIL-8やMCP-1等のケモカインが知られている。本年は本菌による内皮細胞のIL-8,MCP-1の産生増強効果を検討した。 1.ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)をB. henselae(ATCC 49882)で20時間刺激した後,培養上清中のIL-8,MCP-1濃度をELISA法にて測定した。その結果B. henselaeは大腸菌LPSやTNF-αと同様にHUVECsのIL-8,MCP-1産生を増強した。その作用は1×10^6CFU/ml以上で添加菌濃度依存性に認められ,超音波破砕による菌不活化でも失活しなかった。 2.本菌で刺激したHUVECsでは,刺激後1〜3時間でIL-8,MCP-1のmRNAの発現が増強,5時間後にピークに達していた。 3.本菌によるIL-8,MCP-1誘導効果は菌体成分を煮沸処理しても失活せず,本菌LPSの関与が推測された。 4.本菌LPSの関与を検討するため,硫酸ポリミキシンB,抗CD14抗体,抗TLR-2,4抗体による抑制効果を検討した。硫酸ポリミキシンB処理は大腸菌LPSの作用を完全に抑制したが,本菌による作用には全く影響しなかった。抗CD14抗体は本菌の作用を有意に抑制したがその程度は大腸菌LPSの場合ほど著明ではなかった。また,抗TLR-4抗体は大腸菌LPSの作用を減弱させたが本菌の効果には影響を与えなかった。 B. henselaeによる内皮細胞のIL-8,MCP-1産生増強作用は,接着分子発現増強とともに本菌感染症の病態において重要な役割を持つものと思われる。両者の刺激因子は類似しており,通常のLPSとは異なる耐熱性菌体成分であると推測される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nobuaki Maeno: "A Heat-Stable Component of Bartonella henselae Up-Regulates Intercellular Adhesion Molecule-1 Expression on Vascular Endothelial Cells"Scandinavian Journal of Immunology. 55. 366-372 (2002)
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[Publications] Mao Song: "CD14-Mediated Induction of Interleukin-8 and Monocyte Chemoattractant Protein-1 by a Heat-Resistant Constituent of Porphyromonas gingivalis in Endothelial Cells"Scandinavian Journal of Immunology. 56. 484-372 (2002)