2001 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞の運動制御における白血球特異的なパキシリン様蛋白質リューパキシンの意義
Project/Area Number |
13670317
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 稔之 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30217054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 昌之 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50064613)
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Keywords | leupaxin / paxillin / integrin / tyrosine phosphorylation / focal contact / cell adhesion / cell migration / signal transduction |
Research Abstract |
【目的】リンパ球の遺伝子発現プロフィル解析を通じて同定したリューパキシンは、パキシリンと相同のドメイン構造をもち、T細胞をはじめとする造血系細胞に広く発現する。本年度はリューパキシンの細胞接着・運動制御における機能的意義を明らかにするために以下の解析を行った。【方法】(1)リューパキシンの細胞内分布:リューパキシンとEGFPの融合蛋白質を発現する細胞株を作製し、その細胞内局在を解析した。また、リューパキシンの欠失変異体とEGFPの融合蛋白質を作製し、同様に解析した。(2)リューパキシンのシグナル伝達における機能的意義:野生型リューパキシンを293T細胞に一過性に発現させ、fibronectinへの接着依存性に誘導されるパキシリンのチロシンリン酸化に対する影響をWestern blotにて解析した。またリューパキシンの欠失変異体を293T細胞に発現させ、機能発現に必要なドメイン構造を検索した。【結果と考察】(1)BW5147細胞においてリューパキシンは、細胞質に分布し細胞表層部ではアクチン繊維に富む領域に検出された。また293T細胞においてはfibronectinへの細胞接着依存性に接着班に濃縮することが観察された。また欠失変異体を用いた解析から、接着班への局在にはリューパキシンのLIM3ドメインが重要であることが示された。(2)リューパキシンは293T細胞におけるfibronectinへの接着刺激依存性のパキシリンのチロシンリン酸化に対して抑制的に作用することが示された。またパキシリンのチロシンリン酸化に対する抑制作用にもリューパキシンのLIM3ドメインが重要であることが示唆された。これらの結果から、リューパキシンはパキシリンのチロシンリン酸化を介するシグナル伝達に対して、抑制的に機能するアダプター分子であり、その機能発現にはC末端のLIM3ドメインが特に重要であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fujimoto, T. et al.: "CD44 binds a chondroitin sulfate proteoglycan aggrecan"Int. Immunol.. 13. 359-366 (2001)
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[Publications] Saito, K. et al.: "Gene expression profiling of mucosal addressin cell adhesion molecule-1^+ high endothelial venule cells(HEV)and identification of a lcucine-rich HEV glycoprotein as a HEV marker"J. Immunol. 168. 1050-1059 (2002)
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[Publications] Murata, S. et al.: "Lymphocyte binding to MAdCAM-1 via α4β7 integrin activates a signal transduction pathway involving tyrosine phosphorylation of paxillin and p105^<Cas-L>"Immunol. Letters. (in press).