2002 Fiscal Year Annual Research Report
マウスgranulysinのクローニングとin vivoにおける機能解析
Project/Area Number |
13670325
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Research Institution | KURUME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
桑野 剛一 久留米大学, 医学部, 教授 (60215118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 豊 久留米大学, 医学部, 助手 (30309752)
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Keywords | granulysin / クローニング / PCR / 転写因子 / AP-1 |
Research Abstract |
マウスの脾臓および小腸のRNAよりcDNAライブラリーを作成し、ヒトgranulysinをプローブとして、ハイブリダイゼーションによってマウスgranulysinクローンの検出を試みた。cDNAライブラリーから数個の陽性クローンを得て、塩基配列の検討を行ったが、ヒトgranulysinとホモロジーを示すクローンは存在しなかった。次にRT-PCRによるクローニングを行った。PCRプライマーとして、ブタgranulysinとホモロジーが高い塩基配列、およびヒトgranulysinの活性型9kDaの領域をカバーする塩基配列を用いた。テンプレートとして、種々の臓器由来のtotal RNAを用いた。RT-PCR後、増幅産物の塩基配列を決定したが、ヒトgranulysinとホモロジーを示すクローンは存在しなかった。さらに、granulysinのプロモーター領域をプローブとして、マウスのゲノムライブラリーからサザンハイブリダイゼーションによりホモログの検出を試みた。しかし、granulysinと相同性を示す領域は存在しなかった。これらの結果から、マウスgranulysinの発現は極めて低いので、現時点では検出できなかったと考える。事実、マウスのデータベース上、まだマウスgranulysinの報告はない。 上記の実験に加えて、ヒトgranulysinの転写レベルにおける発現制御の解析、およびgranulysinの抗菌活性ドメインの合成ペプチドを作成して、その機能解析を行った。その結果、マイコプラズマの刺激により、granulysin mRNAの発現が増強し、転写因子AP-1がヒトgranulysinのプロモーターを活性化に非常に重要であることが明らかとなった。また、granulysinのアミノ酸残基(32〜42)の合成ペプチドはグラム陽性菌、グラム陰性菌に対して広い抗菌活性を示すことを観察した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kida Y, Kuwano K, Zhang Y, Arai S.: "Acholeplasma laidlawii up-regulates granulysin gene expression via transcription factor activator protein-1 in a human monocytic cell line, THP-1"Immunology. 104. 324-332 (2001)
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[Publications] Hamamoto K, Kida Y, Shimizu T, Zhang Y, Kuwano K: "Antimicrobial activity and stability to proteolysis of small linear cationic peptides with D-amino acid substitutions"Microbiol Immunol. 46. 741-749 (2002)
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[Publications] Kida Y, Shimizu T, Kuwano K: "Opposing roles of activator protein-1 and CCAAT/enhancer binding protein beta in the regulation of inducible granulysin gene expression in a human monocytic cell line, THP-1"Immunology. 107. 507-516 (2002)