2002 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛欠乏による生体影響、とくに異常環境下での影響に関する実験的研究
Project/Area Number |
13670343
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
野寺 誠 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70189413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 裕之 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10200536)
和田 攻 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60009933)
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Keywords | 亜鉛欠乏 / 高圧酸素 / ラット / 皮膚症状 / 生殖細胞 |
Research Abstract |
前年報告したラットの亜鉛欠乏モデル(亜鉛欠乏ラット)を作製し、これらに対して高圧酸素曝露を行い、その影響を調べた。 また、このモデルに対して、亜鉛を経口摂取させ、その効果についても調べた。 亜鉛欠乏ラットを高圧タンクに入れ、100%酸素を用いて2.8絶対気圧、60分間の高圧曝露を行った。肺破裂および空気塞栓症を起こさぬように注意深く大気圧まで減圧し、呼吸状態など、ラットの状態を調べた。その後、白血球数および病理組織学的に肺組織における変化を調べた。その結果、亜鉛欠乏状態では、高圧酸素曝露の影響(肺の炎症の程度や酸素曝露に対する抵抗性)が通常のラットよりも大であることが知られた。 また、亜鉛欠乏ラットに亜鉛添加食を与えたところ、体重増加、血中亜鉛濃度、脱毛などの皮膚症状は、正常に復した。しかしながら、亜鉛欠乏によって一度障害を受けた生殖細胞は、正常に復することはなかった(日本衛生学会総会で発表予定)。こうしたことを、免疫系になど広範にわたって調べるとともに、高圧酸素曝露に対する抵抗性についても検討する予定である。
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