運動が肥満児の健康意識と自律神経機能に与える影響

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13670362
• Research Institution: Kyoto University of Education
• Principal Investigator: 井上 文夫 京都教育大学, 教育学部・体育学科, 教授 (40168464)
• Keywords: 肥満児 / 健康意識 / 自律神経機能 / 運動 / 睡眠 / 日内リズム

Research Abstract

運動が肥満児の健康意識に与える影響について検討するための基礎資料として、小学生の運動に対する好き嫌いや運動能力について肥満度と体脂肪率をもとに分類して検討を行った。その結果、運動の好き嫌いは体脂肪率との関係はみられたが、肥満度との関連は見られなかった。運動能力のうち、短距離走のタイムは体脂肪率と相関が見られたが、握力は体脂肪率との関連は見られなかった。この内容を「小児保健研究」の論文にまとめ、現在印刷中である。また、小学生の健康意識を視覚障害者との関連で検討したものについても「学校保健研究」の論文にまとめた。一方、健康意識の調査に良く用いられる不定愁訴に関して、睡眠、アレルギーの面から調査を行った。その結果、睡眠による休息効果は睡眠時間のみでなく、睡眠の深さなどの睡眠の質が大きく係わることが明らかになり、アレルギー疾患の有無は睡眠の質に関与すると考えられた。この内容については「小児保健研究」の論文にまとめた。肥満児によく見られる睡眠時無呼吸などとの関連で今後さらに検討を行う必要があると考えられた。このように自律神経機能、健康意識に関与するものが多く考えられ、何にしぼって検討を進めていくかを結論を出さねばならないが、現時点でさらに歯科的な健康との関連についても視野に入れて調査を進めつつある。また、今回、備品として購入した自律神経機能評価のための装置およびソフトウェアについては、現在のところデータ取得のための基礎的な条件設定を行っているところであり、それの設定が終了次第にデータ収集およびアンケート調査に移る予定である。アンケート調査項目の内容についてはこれまでの検討結果をふまえて最終的な調整を行っているところである。

Research Products

• [Publications] 井上文夫, 衣笠昭彦: "肥満小児と学校生活"肥満研究. 7・1. 66-67 (2001)
• [Publications] 井上文夫, 藤原寛: "視覚障害者の歩行に関する児童・生徒の意識"学校保健研究. 43・3. 220-226 (2001)
• [Publications] 井上文夫, 藤原寛, 木崎善郎, 衣笠昭彦, 杉本徹: "小学校高学年の運動の好き嫌いと体脂肪率との関連"小児保健研究. 61・2(印刷中). (2002)
• [Publications] 大西晴子, 井上文夫, 藤原寛, 杉本徹: "中学生の睡眠とアレルギー疾患との関連"小児保健研究. 61・1. 59-65 (2002)