2001 Fiscal Year Annual Research Report
炎症・免疫反応による血栓凝固能の活性化と動脈硬化・循環器疾患発症への関与の分析
Project/Area Number |
13670368
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小西 正光 愛媛大学, 医学部, 教授 (40274328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 克俊 愛媛大学, 医学部, 助手 (10314949)
藤本 弘一郎 愛媛大学, 医学部, 助手 (30243778)
加藤 匡宏 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60325363)
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Keywords | 頸動脈超音波検査 / 脳血管疾患 / 生活体力 / ズリ応力比 / 動脈硬化 / フローサイトメーター |
Research Abstract |
本疫学研究計画に基づき、E県Y市における満65歳の全住民(1054人)を対象に、ライフスタイル調査、頸動脈超音波検査、循環器検診、体力測定を施行した。そのうち、研究及び追跡に対しての書面による説明と同意を得られた者は、現時点(H14年1月末)までにライフスタイル調査は計564人(53.5%)、頸動脈超音波検査は計390名(37.0%)、循環器検診は計538人(51.0%)、体力測定は計314名(29.8%)となった。また、本研究のベースとなる循環器疾患コホートの追跡データとして、脳血管疾患及び虚血性心疾患に関する発症調査を行い脳血管疾患発症118例、虚血性心疾患発症30例の登録を完了した。 研究初年度である本年は、基礎的解析を行った。その結果、頸動脈超音波所見のうち、機能的指標である頸動脈流速等から算出したズリ応力比と形態的指標であるPlaque Score(各々のプラークの厚み総和)との関連では、多因子調整後層別化解析にて血圧レベルが正常の群においてもズリ応力比の上昇に伴い動脈硬化の伸展を認め、一方、血圧レベルが高くてもズリ応力比が低い場合は動脈硬化の伸展が少なく、現在動脈硬化がactiveに進行している最中かどうかの有効な指標となる可能性が示唆された。また、ライフスタイルと動脈硬化度との関連についての断面解析では、生活体力に相当する筋力、柔軟性、俊敏性、平衡機能を合わせてスコア化した検討では、動脈硬化度の伸展に伴い男性では生活体力スコアが29.7%の低下を示した(p<0.05)。炎症・免疫、血栓凝固系の測定について、フローサイトメーターによる多チャンネル同時測定を検討し、採血量の抑制及び安定化が達成できたため、次年度はこれらの指標を合わせて評価し、炎症・免疫等の血液レオロジーと動脈硬化・循環器疾患との関連、及びこれらを改善するための生活習慣について検討する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岡田 克俊, 藤本 弘一郎, 加藤 匡宏, 浅井 芳恵, 竇 貴旺, 小西 正光: "男性地域住民における動脈硬化指標ABI及びPWVと過去の危険因子との関連について"Journal of Epidemiology. 19・4. (2002)
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[Publications] Konishi M., Kondo H., Okada K., et al.: "Health Status, Life Habits, and Social Background among the JPHC study Participants at Base Line Survey"Journal of Epidemiology. 11.6. 57-74 (2001)
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[Publications] 岡田克俊, 加藤匡宏, 藤本弘一郎, 竇貴旺, 浅井芳恵, 小西正光: "循環器疾患スクリーニング検査としての頸動脈超音波検査の検討(第3報)"四国の農村医学. 26. 113-117 (2001)
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[Publications] 小西正光, 小野ツル子: "「健康日本21」を指標とした健康調査と保健支援活動"ライフ・サイエンス・センター. 282 (2001)