2002 Fiscal Year Annual Research Report
地域在住の軽度認知機能低下者の追跡と痴呆進展に対する予防的介入-香北町縦断研究-
Project/Area Number |
13670369
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
西永 正典 高知医科大学, 医学部, 助教授 (50265245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (70190494)
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Keywords | 軽度認知機能低下 / グループワーク / QOL |
Research Abstract |
香北町在住高齢者に対し、検診による軽度認知機能低下者(MCI)のスクリーニングを行い、痴呆進展の予防のための予防的介入として、グループワークプログラムを実施し、その効果を2年目も引き続き検討した。1年目の軽度認知機能低下対象者35人は2年目も引き続き参加した。2年目も新たに24人を対象として加え、予防的介入としてのプログラムとしては、音楽療法、芸術療法、運動療法、園芸療法、現実見当識訓練、回想法、作業療法、子供との交流会を組み合わせて実施し、包括的機能評価を行った。文化教室継続参加者30人と不参加者180人の1年間の効果を比較検討すると、認知機能では、長谷川式スケールと実行機能検査において、参加者が有意に改善、不参加者は変化がなかった。(repeated measure ANOVAによるgroup time interaction : p<0.05)アンケート検査での主観的QOL(生活満足度)において参加者が改善、不参加者(698人)は低下した(repeated measure ANOVAによるgroup time interaction : p<0.05)。 前年度の効果に引き続き、住民レベルでの比較においても、グループワークプログラムの認知機能とQOLに対する効果を認めた。今後さらに人数を増やして縦断的に検討していくとともに、うつ状態の有無と認知機能低下との関連や教室参加の効果の違いについてもくわしく検討していく予定である。また、痴呆進展の予防効果の検討も含めて3年間の縦断的検討を継続していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 西永 正典: "高齢者の機能評価と包括医療"日本老年医学会雑誌. 39. 279-281 (2002)
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[Publications] 奥宮 清人: "地域在住高齢者の介護、日常生活ほどのようにかわったか:高知県香北町の調査から"日本老年医学会雑誌. 39. 22-24 (2002)
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[Publications] Toba K: "Vitality Index as an useful tool to assess elderly with dementia"Geriatrics and Gerontology International. 2. 23-29 (2002)
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[Publications] 西永 正典: "老年医学update 2002:総合機能評価(CGA)の臨床応用とその意義"日本老年医学会雑誌編集委員会・メジカルビュー社. 310 (2002)