地域の後期高齢者に対する転倒予防対策の介入効果に関する研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13670386
• Research Institution: Tohoku Bunka Gakuen University
• Principal Investigator: 芳賀 博 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (00132902)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 植木 章三 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助教授 (00241802) ; 安村 誠司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50220158)
• Keywords: 転倒予防 / 体操 / 介入研究 / 体力測定 / 生活習慣 / 要介護予防

Research Abstract

1.目的:地域在宅の後期高齢者を対象に、転倒予防体操の指導を行うとともに、転倒予防・体力づくりに関する情報提供を含む介入プログラムを展開し、体力及び転倒率への影響の程度を、非介入地区との比較において明らかにすることを目的としている。
2.介入プログラムの実施:介入は2001年8月の事前調査終了後から、継続して行われた1)介入地区(宮城県S町)において転倒予防推進員によるミニ・ディサービスの場を利用した行政区毎の体操とレクリエーシヨンの指導(1〜4回/月)。2)転倒ハイリスク者に対する転倒予防教室の実施(各行政区1回)3)介入地区を対象とした転倒予防に関する情報の提供(通信誌の発行/毎月)
3.介入後調査:介入地区(宮城県S町)の75歳以上の高齢者686名、非介入地区(福島県S市O地区)の75歳以上の高齢者522名を対象として平成14年8月〜10月に介入後の調査を行った。調査は、体力測定と面接調査から成り、体力測定に参加しなかった者に対しては訪問により面接調査のみ実施した。調査項目は、体力測定:握力、閉眼片足たち、長座位体前屈、立ち上がり動作時間、10m歩行など面接調査:転倒の有無とその状況、自己効力感、移動能力、生活習慣、生活体力、外出頻度、社会との交流頻度などであった。介入地区では583名(面接調査のみは303名)、非介入地区では434名(面接調査のみは290名)の協力が得られた。なお、調査は、対象者に調査の趣旨を十分説明し、協力への同意を確認しながら行った。
介入後調査における75歳以上の転倒の割合は、介入地区の男性で13.7%、女性で23.4%、非介入地区の男性で13.2%、女性で23.9%であった。介入前後の両調査に応じた者の転倒率は、介入地区では介入前の24.4%から介入後の20.1%へと減少、非介入地区では介入前の18.2%から介入後の21.9%へと増加した。

Research Products

• [Publications] 芳賀 博他: "地域における高齢者の転倒予防プログラムの実践と評価"厚生の指標. 50・4(印刷中). (2003)
• [Publications] 亀田 英里他: "地域における高齢者の生活満足度と身体的、精神的、社会的要因との関連"福島医学雑誌. 52・4(印刷中). 353-363 (2002)
• [Publications] 菅家 智史他: "地域高齢者における転倒に関連する要因に関する研究"福島医学雑誌. 52・4. 345-352 (2002)