2002 Fiscal Year Annual Research Report
若年発症1型糖尿病患者のQOLおよび心理的側面に関する症例対照研究
Project/Area Number |
13670388
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
松島 雅人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50246443)
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Keywords | 1型糖尿病 / QOL / SF-36 |
Research Abstract |
本年度も昨年度より継続して1型糖尿病の健康関連QOLについて調査を行った.同胞や2型糖尿病を対照として調査を進める一方で,特に前年度は疾病特異的QOL尺度であるPAID(Problem areas in diabetes)を主に発症年齢との関連について検討を行ったが,今回は,包括的QOL尺度であるSF-36(Short From 36)を用いて,国民標準値との比較を行った. 1型糖尿病患者40名(男/女14/26,現在年齢34.0±5.1歳,発症年齢18.4±8.3歳)を対象に,文書による同意を得た上でSF-36を用い郵送法によって調査を行った.対象から得られた8つの下位尺度[身体機能,日常役割機能(身体),体の痛み,全体的健康感,活力,社会生活機能,日常役割機能(精神),心の健康]の得点から日本人の国民標準値に対する偏差得点をSF-36得点算出プログラムver1.2を用いて算出した.さらに解析にはSTATA7.0を使用し各下位尺度毎の偏差得点の平均,標準偏差,95%信頼区間を求めた. 対象から得られた各下位尺度の偏差得点は以下の結果であった.なお,偏差得点の全国平均値は50で示される.身体機能52.5(95%CI:49.8-55.3),日常役割機能(身体)50.7(48.8-52.6),体の痛み47.6(44.1-51.2),全体的健康感43.8(40.6-47.0),活力47.0(44.3-49.6),社会生活機能47.9(44.6-54.6),日常役割機能(精神)50.3(48.4-52.1),心の健康51.6(48.5-54.6)となった. 以上より1型糖尿病患者の包括的QOLをSF-36によって評価したところ,国民標準値と比較して全体的健康感と活力において有意に低下していた.来年度は回答率をさらに向上させ,対照とした同胞への調査も継続する予定である.
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