2003 Fiscal Year Annual Research Report
若年発症1型糖尿病患者のQOLおよび心理的側面に関する症例対照研究
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13670388
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
松島 雅人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50246443)
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Keywords | 1型糖尿 / QOL / PAID / SF-36 |
Research Abstract |
本年度も昨年度より継続して1型糖尿病の健康関連QOLについて調査を行った.一昨年度は疾病特異的QOL尺度であるPAID(Problem areas in diabetes)を主に発症年齢との関連について検討を行い,昨年度は,包括的QOL尺度であるSF-36(Short Form 36)を用いて,国民標準値との比較を行った.本年度は,2型糖尿病患者にPAIDおよびSF-36の質問表調査を行い,1型糖尿病患者と症例対照(ケースコントロール)研究を行った. 対象は,ケースとして1型糖尿病患者40名,コントロールとしてケースに性,現在年齢をグループマッチングさせた2型糖尿病患者,対照80名を東京慈恵会医科大学糖尿病代謝内分泌内科の受診者リストから抽出し,PAIDおよびSF-36を調査した.PAIDスコアは,1型:49.8±18.1 vs. 2型:47.9±18.9で若干1型で疾病特異的QOLが低い傾向であったが,Wicoxon rank-sum testで有意差<p<0.05)を認めなかった.またSF-36については8つの下位領域のスコアを比較した.PF身体機能:1型94.9±9.0 vs. 2型93.1±10.0,RP日常役割機能(身体):91.9±14.7 vs. 84.4±35.2,BP身体の痛み:72.0±24.7 vs. 69.1±23.9,SF社会生活機能:82.2±19.8 vs. 89.1±30.9,GH全体的健康感:57.5±17.2 vs. 59±25.3,VT活力:60±16.6 vs. 66.3±24.0,RE日常役割機能(精神):86.0±17.3 vs. 87.5士35.4,MH心の健康:70.5±17.6 vs. 77.5±28.5となった.1型糖尿患者は,2型糖尿病患者に比べてSF社会生活機能,VT活力およびMH心の健康において有意な差は認められなかったが低いスコアを示す傾向であった.これは1型糖尿病のQOLの特徴を示す可能性があり今後さらに検討していく課題であると言える.
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