2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゴム手袋使用作業者におけるラテックス特異IgE抗体保有率と身体所見との関連
Project/Area Number |
13670392
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERCITY |
Principal Investigator |
本多 隆文 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60097441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 昌夫 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (10184516)
山田 裕一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70158228)
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Keywords | ラテックスアレルギー / ゴム手袋 / RAST(IgE抗体) / 接触皮膚炎 / アトピー性皮膚炎 / 交替制労働者 |
Research Abstract |
某精密機械製造工場の労働者1015名(男性965名。女性50名)を対象に定期検診の際に、手の皮膚症状に関する質問票と医師による他覚的観察を行った。更に非特異的IgE抗体(total IgE)、ラテックス特異IgE抗体(Latex RAST)を測定した(Pharmaciaユニキャップ特異IgE【○!R】)。 ゴム手袋使用者736名の中で、ラテックス特異IgE抗体(RAST)の陽性者はclass1 : 8名、class2 : 6名、class : 1名、class4 : 1名の16名(2.2%)であった。またゴム手袋使用者736名の中での皮膚異常症状経験者(以下、症状有り群)は184人(25.6%)であった。症状有り群は、ゴム手袋使用による皮膚の異常症状の非経験者(以下、症状無し群)に比べ、アトピー性皮膚炎の割合が有意に高く(p<0.0005)、業務内容では、製造業務者の割合が高く認められた。 有症状者には、代替手袋(ポリエチレン製など)やインナー手袋(綿100%)の使用を試みたところ症状の軽減が認められた。RAST陽性者と有症状者は必ずしも一致していなかった。 医師の診察による他覚的所見と自覚症状とが一致する対象者が無く、このことは質問票の記入日と診察日の時間的なずれによるもの、あるいはその症状がゴム手袋を外すことで短時間に消失してしまう性質のものという可能性も考えられた。また過去にアナフィラキシーの症状を呈した対象者もいなかったことから、ゴム手袋により生じた何らかの皮膚症状は、接触皮膚炎の中では遅発型アレルギー性接触性皮膚炎または刺激性接触性皮膚炎になるのではないかと予想されたが、両者を鑑別する事は困難であった。
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