2002 Fiscal Year Annual Research Report
大規模長期縦断研究による児童の健康影響要因のリスク評価
Project/Area Number |
13670397
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
由良 晶子 近畿大学, 医学部, 助手 (80142595)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 忠彦 近畿大学, 名誉教授 (00088519)
三宅 吉博 近畿大学, 医学部, 助手 (50330246)
|
Keywords | 室内空気汚染 / ホルムアルデヒド / VOC / シックハウス症候群 / 児童 / 学校 / 自覚症状 |
Research Abstract |
平成13年度夏期に新改築された4小学校において、平成13年9、10、12月および平成14年7月に室内空気汚染物質の測定調査を行った。児童が通常の授業を受ける普通教室では、パッシブサンプラーによる24時間平均濃度で、改築直後に揮発性有機化合物(VOC)のトルエン、キシレン、エチルベンゼンが室内濃度指針値を上回る教室があったが、1ヵ月後以降には十分に低下した。ホルムアルデヒド濃度は、改築直後から非改築の対照教室と同程度の低いレベルであった。教室を1時間以上閉めきった後のアクティブサンプリングによる測定では、改築直後にホルムアルデヒドとトルエンが指針値に近いレベルであったが、その後気温の低下とともに減少した。ホルムアルデヒドは1年後の夏期に気温の上昇とともに再び増加したが、指針値の2分の1程度であり、普通教室は1年後には問題のない状況であると考えられた。一方、パソコン教室では、アクティブサンプリング測定のホルムアルデヒド濃度が、新築直後よりも1ヵ月後の方が高く、指針値と同レベルになり、この間に搬入されたパソコン・机・椅子等からの発生が疑われた。3ヵ月後には気温の低下とともに減少したが、翌年の夏には指針値を超えるホルムアルデヒドが検出された。パッシブサンプラーによっても、図書室、音楽室、会議室でホルムアルデヒド濃度は工事直後よりも1年後の夏の方が高く検出された。比較的に換気が少ないと考えられるこれらの特別教室では、ホルムアルデヒドは約1年を経過しても残留しており、夏期に放散することが示された。次年度には、特別教室の築2年後の追跡調査を実施するとともに、今年度にはデータの整理および入力までにとどまった「こどもの健康調査」データベースの時系列的解析を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)