2003 Fiscal Year Annual Research Report
大規模長期縦断研究による児童の健康影響要因のリスク評価
Project/Area Number |
13670397
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
由良 晶子 近畿大学, 医学部, 助手 (80142595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 忠彦 近畿大学, 名誉教授 (00088519)
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Keywords | 室内空気汚染 / ホルムアルデヒド / VOC / シックハウス症候群 / 児童 / 学校 / 自覚症状 |
Research Abstract |
大阪府の全ての公立小学校児童を対象とした自覚症状調査「大阪府こどもの健康調査」の平成3年から平成12年までの5回の調査結果を用いて、この10年間に実施された小学校の新改築工事が児童の健康に影響を及ぼしたかどうかを、横断的および時系列的に解析した。まず、各調査結果について、児童の自覚症状有訴率と環境要因との関連をロジスティック回帰分析で検討したところ、教室の新改築工事はいずれの症状とも有意な関連がみられなかった。児童の「せき」、「頭痛」、「腹痛」、「だるい(疲れる)」等の有訴率が高いことに有意な関連がみられたのは、「家庭内喫煙者あり」、「近隣の自動車交通量が多い」、「工業地域に居住」といった環境要因や、「テレビゲームやパソコンを毎日1時間以上する」、「朝食を食べない」といった生活習慣要因であった。次に、連続した2回の健康調査の間に教室の増改築工事が行われた学校について、工事前後の有訴率の推移をみたが、全体的に府平均有訴率の推移と異なる傾向はみられなかった。小学校で行われた工事の多くは、一部の教室または体育館・その他の場所の部分的な改築・改修であった。工事箇所に部分的な室内空気汚染が生じたとしても、学校単位の有訴率に影響するほどではなかったと推察された。 一方、平成13年度夏期に一部の教室が新改築された4小学校において、工事から2年後の平成15年7月に室内空気汚染物質濃度を実地測定した。普通教室では、測定した化学物質はいずれも十分に低値であった。しかしパソコン教室では、前年よりやや低下したものの、2年後の夏にも指針値を超えるホルムアルデヒドが検出された。図書室と音楽室でも指針値に近いレベルのホルムアルデヒドが検出された。これらの特別教室では普通教室に比べ換気が少ないと考えられ、ホルムアルデヒドは約2年を経過しても残留しており、夏期に放散することが示された。
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Research Products
(1 results)