2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者を対象とした地域特性別のうつ病と自殺予防に関する研究
Project/Area Number |
13670406
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Research Institution | Shimane Nursing College |
Principal Investigator |
福澤 陽一郎 島根県立看護短期大学, 看護学科, 教授 (40127527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 真紀 島根県立看護短期大学, 看護学科, 助手 (70331816)
吾郷 ゆかり 島根県立看護短期大学, 看護学科, 講師 (30280134)
石橋 照子 島根県立看護短期大学, 看護学科, 講師 (40280127)
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Keywords | 自殺 / うつ状態 / 地域特性 / 予防 |
Research Abstract |
プライバシー保護を考慮し、調査対象地のT村(漁村)とN町(中山間地)を含むブロック別の隠岐・雲南単位の自殺の疫学データを収集・検討した。島根県全体の自殺死亡率の推移では、増加傾向にあること、女性より男性に死亡率が高い、男性では40、50歳代、女性では70歳代に自殺が高率であった。ブロック別では、人口数が少ないために、変動が激しいが女性より男性に多い、雲南の男性は、増加傾向、雲南より隠岐に死亡率が少ないという特徴があった。警察関係資料をもとに、自殺の原因が詳細に分類された1999年、2000年のデータを分析した。仁多郡・隠岐郡の女性では、病苦がいずれも100%であり、男性では、仁多郡が病苦60%、精神障害40%、隠岐郡が精神障害40%、病苦20%、その他経済・家庭などの問題が高率であった。本調査結果をもとに自殺の男女別、年齢別、地域特性別に自殺予防のための課題を具体化する必要がある。 地域特性別のうつ状態の割合をGeriatric Depression Scale(GDS)短縮版(15問)で、自記式によりT村、N町、I市の1地区を対象に調査を実施した。有効回答数は、T村72人(男17・女55)、N町328人(男84・女244)、I市252人(男107・女145)である。 GDSが6点以上のうつ状態は、男性がN町25.6%が最も低く、次いでT村28.3%、I市が33.3%であった。女性も男性と同じ順位でN町31.4%、T村34.8%、I市38.1%であった。いずれの地区も男性より女性がうつ状態の割合が高率であった。年齢別の65〜74歳では、男性がI市、T村、N町という順に高率であった。女性は、N町、T村、I市という順に高率であった。75歳以上は、人数が少ないためにばらつきが大きいが、男性がN町、T村、I市、女性がN町、I市、T村という順に高率であった。今回のうつ状態の割合の差が、T村、N町は基本健康診査受診者、I市は一部の地域であることと郵送法による調査法であったという違いが影響している可能性があるので、今後さらに調査を継続する必要がある。 15項目の項目別割合では、「他の人に比べて記憶力が落ちたと感じますか」「自分は活力が満ちあふれていると感じますか」の項目が、地域、性別、年齢区分を問わず高率であった。T村では、30%以上が回答している項目はT村の65〜74歳、75歳以上の女性が6項目、N町の65〜74歳の男女では7項目あった。
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