2003 Fiscal Year Annual Research Report
在宅高齢者におけるうつ状態の危険因子に関する疫学的研究
Project/Area Number |
13670411
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
新野 直明 国立長寿医療センター, 研究所・疫学研究部, 室長 (40201686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 富士子 国立長寿医療センター, 研究所・疫学研究部, 室長 (90333393)
下方 浩史 国立長寿医療センター, 研究所・疫学研究部, 部長 (10226269)
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Keywords | 高齢者 / うつ状態 / 危険因子 / 在宅 / GDS / 心理的要因 / 社会的要因 |
Research Abstract |
本研究では、地域の在宅高齢者を対象に、うつ状態を含む心理学的要因、社会的要因、身体的要因を調査し、うつ状態と関連する要因を横断的に調べる。さらに同対象者について、2年後にうつ状態に関する調査を実施し、初回調査における各要因と数年後のうつ状態の関係について縦断的に分析し、うつ状態の危険因子を明らかにする。本年度は、昨年度実施舞できなかったうつ状態と心理的・社会的要因との関連に関する横断的分析をおこなった。 長寿医療研究センター疫学研究部の実施する「老化に関する長期縦断疫学調査」、の参加者(愛知県大府市、東浦町の40歳〜79歳の地域住民から性年齢別に層化無作為抽出された人で、調査への同意が得られた人)の中で60歳以上の人を対象に、自記式調査票による調査、・調査員による面接調査・検査により下記(1)〜(5)を調べた。 (1)身体的健康状態:体格、既往歴、治療中疾患、血液検査、日常生活動作(ADL)など、(2)運動機能:平衡機能、全身反応時間、各種筋力、歩行分析など、(3)心理学的要因:対人交流、性格、ライフイベントなど、(4)社会的要因:家族構成、経済状態、学歴など、(5)うつ状態:老人用に開発され広く使われている自記式抑うつスケールGeriatric Depression Scale (GDS)短縮版により評価し、6点以上をうつ状態有りとした。 男女別にx^2検定を用いた単変量分析によりうつ状態の有無と有意な関連を示した要因を特定した。さらに、これらの項目を説明変数としたロジスティック回帰分析により各要因相互の影響を考慮した場合のうつ状態の関連要因を検討した。その結果、男性では、転倒恐怖感有り、ADL低い、主観的健康不良、同居家族なし、趣味なしの場合にうつ状態を有する人が有意に多かった(p<0.05)。女性では、主観的健康不良、同居家族なし、趣味なしの場合にうつ状態の人が多かった。
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