2002 Fiscal Year Annual Research Report
有機ハロゲン系環境汚染物質代謝物による内分泌かく乱作用の評価法の開発
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13670412
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
小西 良昌 大阪府立公衆衛生研究所, 食品衛生部, 主任研究員 (40211239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿久津 和彦 大阪府立公衆衛生研究所, 食品衛生部, 研究員 (00311481)
高取 聡 大阪府立公衆衛生研究所, 食品衛生部, 研究員 (90311480)
北川 幹也 大阪府立公衆衛生研究所, 食品衛生部, 研究員 (90270769)
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Keywords | PCBアイソマー分析 / 水酸化PCB / 母乳 / 内分泌かく乱作用 / エストロジェン様作用 / 経年変化 / 酵母Two-Hybrid法 |
Research Abstract |
高分解能GC/MSを用いて、ポリ塩素化ビフェニール(PCB)川のアイソマー分析を行い、母乳中濃度の経年変化(1973年から2000年)を測定した。測定に用いた乳脂肪は、1973年以降冷凍保存していたもので、年齢25〜29才初産婦のみを対象とし、母乳採取年度別に等量混合(各年度19〜32人)し、四、五、六、七塩化のPCBアイソマー分析を行った。その結果、母乳中のPCB濃度は、70年代をピークに急激に減少していたが、その検出パターンは年々変化しており、塩素数の少ない四、五塩化PCBが大きく減少しているのに対し、六、七塩化PCBの減少度は少ない。また、塩素の結合位置により、体内への残留度の差が見られた。これらの詳細については、摂取源および代謝の両面から現在考察中である。 水酸化PCBの高感度分析を目的とした誘導体化について検討を行った。PFBBrによる誘導体化は水酸基に隣接した塩素による立体障害のため、水酸基の誘導体化が安定しないことがわかった。そこで、誘導体化の方法をメチル化に限定した。メチル化は、TMAHによる誘導体化を用いた。本法はGCの注入口内で高温(300℃)で誘導体化するため、実験者に比較的安全な上、操作として非常に簡便である。抽出した脂肪をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)に負荷、目的フラクションを分取し、脂肪等を除去したが、溶出時間に分子サイズによる影響が大きいことが明かになった。精製法としては、マルチモードの固相カートリッジを用いた結果、メタノールによる溶出により良好な結果が得られた。 生体試料から検出される異性体と、主要な摂取源である魚介類から検出される異性体と比較した結果、低塩素化PCB及び4位に塩素を持たない異性体が生体試料で低いことが分った。これらを比較的、代謝を受けやすい異性体と考え、S-9処理を施して代謝物のエストロジェン様作用を酵母Two-Hybrid法で評価している。代謝物のエストロジェン様作用は、塩素化が高度になるにつれて低下する傾向が認められた
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[Publications] Satoshi Takatori: "Estrogenicity of Metabolites of Benzophenone Derivatives Examined by a Yeast Two-Hybrid Assay"Journal of Health Science. (in press). (2003)
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[Publications] Satoshi Takatori: "Detection of Thyroid Hormone Receptor-Binding Activities of Chemicals Using a Yeast Two-Hybrid Assay"Journal of Health Science. (in press). (2003)