新しい日本人特異的DNAマーカー(SNP)の開発と個人識別への応用

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13670423
• Research Institution: Tottori University
• Principal Investigator: 湯浅 勲 鳥取大学, 医学部, 講師 (00093633)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 入澤 淑人 鳥取大学, 医学部, 教授 (90112226) ; 吾郷 一利 鹿児島大学, 医学部, 講師 (20102056) ; 梅津 和夫 山形大学, 医学部, 助教授 (10091828)
• Keywords: 日本人 / DNA多型 / SNP / 個人識別 / 塩基配列

Research Abstract

われわれは、国際化にともなって日本の国内に住む外国人が犯罪や事故、あるいは、船舶事故や遺棄による解剖体や生物試料の個人識別において、日本人と他の外国人とを識別することができる新しい遺伝的マーカーの発見と実務への応用をめざしている。本年は多型性が高く、コピー数の多いミトコンドリアDNA(mtDNA)内の塩基置換に着目して検討をおこなった。日本人、韓国人、中国人、ドイツ人からの得たmtDNAの6ヶ所の多型部位(nt3010、4386、5178、8794、10398および9bpのコピー数)についてタイピングしたところ、ハプロタイプとして、18種が観察された。そのうち、主要なハプロタイプは10種あった。A1、A2、B2、B3、C2はアジア系の人々に、B5とC5はドイツ1人に限定しており、相違が認められた。A2は日本人では26-44%であったのに対して、17%であった。B2に関しては、日本人は高い頻度を示し、なかでも沖縄の人々が22%と最も高かった。ソウルと光州の韓国人は3%であり、シェンヤンの中国人やドイツ人では観察されなかった。このように、ハプロタイプB2を持っているヒトは日本人に多く観察されており、日本人である可能性を示すものである。このような遺伝子変異を多数見つけることによって、遺伝学的にきわめて類似性の高い日本人と韓国人の識別も可能になってくると思われる。さらに、Y染色体のSNPであるM55、M174もその可能性が高いことが示唆された。

Research Products

• [Publications] Naito, E.: "A novel dimorphism in the human SRYgene : usefulness in human migration study"International Journal of Legal Medicine. 114(4/5). 274-277 (2001)
• [Publications] Yuasa I: "Characterlzation of genonic rearrangement of the α1-acid glycoprotein Lorsomucoid gene in Ghanaians"Journal of Human Genetics. 46・10. 572-578 (2001)
• [Publications] Umetsu k: "Multiplex amplified product-length polymorphism analysis for rapid detection of human mitochondrial DNA variations"Electrophoresis. 22(16). 3533-3538 (2001)
• [Publications] Yuasa I: "Molecular characterization of four-Alpha-r antitrypsin variant alleles found in a Japanese population"Legal Medicine. 3(4). 213-219 (2001)
• [Publications] 大澤資樹: "AHSG遺伝子のハプロタイプ解析"DNA多型. 9. 216-219 (2001)
• [Publications] 湯浅勲: "オロソムコイド遺伝子の分子進化・遺伝子の多重化と遺伝子コピー数の多型"DNA多型. 9. 211-215 (2001)