2001 Fiscal Year Annual Research Report
RH遺伝子における一塩基多型とマイクロサテライト多型の分子遺伝学的解析とその応用
Project/Area Number |
13670434
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
奥田 浩 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50285772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀崎 豊実 自治医科大学, 医学部, 助手 (90316513)
岩本 禎彦 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10232711)
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40204391)
熊田 真樹 自治医科大学, 医学部, 助手 (40326830)
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Keywords | Rh式血液型システム / Rh変異型 / 塩基置換・gap / Rhgenotyping法 / 組換え / 分子進化 / 一塩基多型 / マイクロサテライト多型 |
Research Abstract |
複雑な特徴を示すRh式血液型システムがいかに構成され進化してきたのかを解明するためにRHD、RHCE両遺伝子の全塩基配列を決定するとともに両RH遺伝子間の塩基配列の比較・検討をおこなった。さらに、2種類のRHCE遺伝子(Ce型およびce型)についてのイントロンの塩基配列を明らかにし、RHD・RHCE両遺伝子間および2種類のRHCE遺伝子間の塩基置換、nucleotide gaps(欠失と挿入を含む)、組換え領域などの分布状況を解析した。これらの分布状況の詳細なマップを作成することにより、組換えによると思われる塩基置換・gapsの好発部位(hot spot)も同定した。遺伝子の分子進化の過程においては、塩基置換とgapsだけでなく組換えも重要な因子であることも明らかにした。RH遺伝子のような複製遺伝子おいては、塩基置換とgapsを生じるとともに互いの遺伝子同士で組換えが起こり、複雑な分子進化をしていることも明らかにすることができた。これらの解析をD--、RhnullなどのRh変異型、non-functional RHD gene、種々のRh表現型の遺伝子にも拡げていくことにより、RH遺伝子の分子進化およびRh変異型の発生機構についてだけでなくマイクロサテライト多型、塩基置換、gaps、組換え領域、SNPs(single nucleotide polymorphisms:一塩基多型)の形成過程を明らかにしてゆきたいと考えている。さらに、Alu配列に代表される分散型繰り返し配列の分布状況をコンピューターを用いて検討し組換えの好発部位の同定を行うとともに、これらの配列の役割についても類推したいと考えている。 以上の研究を進めることでマイクロサテライト多型とSNPsの遺伝マーカーとしての相違点を明らかにし、より安全で確実なRh genotyping法を確立してゆく予定である。
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Research Products
(1 results)