2002 Fiscal Year Annual Research Report
各種乱用薬物の液体クロマトグラフィー質量分析による分析方法の確立
Project/Area Number |
13670437
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
妹尾 洋 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50236113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 秀樹 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (30107817)
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Keywords | メタンフェタミン / コカイン / モルヒネ / コデイン / 高速液体クロマトグラフィー / 質量分析 |
Research Abstract |
前年度設定したHPLC/MS(/MS)条件と,新しく発売されたShim-Pack MAYI-ODS(10x4.6mm i. d.)を用いた分析条件を比較検討したところ,前年度使用していたShodex Mspak GF-3104Dに比べるとShim-packの方がよりカラム圧が上昇することなく連続して使用可能であった。また,分析時間も1サイクルが50分から30分に短縮された。ただし,メタンフェタミンに関してはShim-packよりMspakを用いた方が良好な分離を示した。 これらの結果を基に,カラムはShim-Packを用い,対象薬物はモルヒネ,コデイン,コカインの3種とした。また,薬物標準品での感度はMSよりMS/MSの方が10倍程度高かったため,定量分析はMS/MSにより行った。試料はヒト血清を用い,特別な抽出操作を必要とせず試料をそのまま分析機器に導入できる試料直接導入法を現在一般的に用いられている固相抽出法と比較検討した。試料直接導入法では薬物を添加した血清をそのままHPLCに導入した。試料直接導入法では抽出操作を行っていないにもかかわらず10〜50ng/mlと十分な感度が得られた。また,薬物の回収率は50〜60%であった。従って,特に抽出操作を行わなくても,試料直接導入法によって血清中薬物が検出可能であることが判明した。実際例の分析として,コデイン服用の疑いがある死体の血清中コデインの検出を試みたところ分析可能であった。 試料直接導入法では試料前処理が不要なため上記の分析時間がそのまま抽出操作を含めたトータルの分析時間となり,短時間で薬物を検出できるという利点がある。これと高感度を得られるMS/MSとを組み合わせることにより,乱用薬物の有用な分析法となることが確認された。
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Research Products
(1 results)