2001 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞移植後GVHDにおいて出現するOX40^+T細胞の特性に関する研究
Project/Area Number |
13670454
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀 利行 京都大学, 医学研究科, 講師 (70243102)
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Keywords | OX40 / CD4 / T細胞 / GVHD / 造血幹細胞移植 |
Research Abstract |
同種骨髄移植または同種末梢血幹細胞移植を施行した症例22例の末梢血T細胞におけるOX40の発現を経時的に解析した。このうち移植後100日以降に'慢性GVHDを発症した症例6例と発症しなかった症例の比較検討の結果、GVHDの発症に先だって末梢血CD4^+ OX40^+ T細胞が増加することを見いだした。その際、増加の程度と免疫抑制療法に対する反応性とが逆相関を示し、GVHD症状の強い症例では病勢に一致してCD8^+ OX40^+ T細胞が出現した。以上の結果から、末梢血T細胞におけるOX40の発現は慢性GVHDの発症と重症度を予知し、治療方針を選択する上でのよい指標となると考えられた(Blood66:3162-3164,2001)。これら末梢血に出現するOX40^+T細胞がクローナルな増殖を反映したものかどうかを見るために、PCRを用いたTCR V βの使用頻度の解析を行なったところ、リンパ球全体と比べていくつかのクローンが選択的に増加していることが示された(投稿準備中)。また、皮膚病変を伴った症例の皮膚生検組織の免疫染色により、GVHD病変組織にOX40^+細胞が多数浸潤していることを観察した。これらの標本からRNAを回収してそこに浸潤したT細胞と末梢血のOX40^+ T細胞とのTCRレパトワの比較を行ったが、一部の例外を除いて共通のクローンは見られなかった。現在この点について検討を進めている。
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Research Products
(1 results)