2002 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞への遺伝子導入による慢性関節リウマチモデルマウスの治療
Project/Area Number |
13670470
|
Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
簔田 清次 自治医科大学, 医学部, 教授 (30211593)
|
Keywords | 遺伝子導入 / 造血幹細胞 / 関節リウマチ / ケモカインレセプター / レトロウイルス |
Research Abstract |
遺伝子導入を臨床に応用するためには造血幹細胞よりも末梢リンパ球を利用するほうが容易なため、マウス脾臓由来リンパ球を対象細胞とした。リンパ球への遺伝子導入は、マーカー遺伝子としてGFPを発現するレトロウイルスを用い、フローサイトメトリーでのGFP陽性細胞の割合により導入効率を評価した。これまではマウスリンパ球への遺伝子導入効率はレトロウイルスを用いた場合、最高でも10%程度であったが、抗CD3、抗CD28抗体を含んだ組換えファイブロネクチンコートプレート上でリンパ球へウイルス感染を繰り返すことにより、GFP陽性細胞を30%以上に上げることができた。 関節局所に細胞を選択的に集積させる遺伝子の候補として、ケモカインレセプターを選択した。ケモカインレセプターとマーカー遺伝子を1つのレトロウイルスベクターに組み込み、2種の蛋白を発現するベクターを作製。ケモカインレセプターに対する抗体は市販品が少なく、発現の確認が困難なため、タグ蛋白を発現するFLAGタグ塩基配列をケモカインレセプター遺伝子の前に組込み、FLAGタグ蛋白結合ケモカインレセプターとして発現させ、タグ蛋白を確認することにより、レセプターの蛋白レベルでの発現の確認とした。マウス造血系培養細胞株へ遺伝子導入後、細胞蛋白抽出液からの抗FLAG蛋白抗体を用いた免疫沈降、ウエスタンブロッティング法にて、タンパクレベルでレセプターが発現していることを確認した。 関節炎モデルマウスとしては、DBA/1マウスをウシtypeIIコラーゲンと完全アジュバント、不完全アジュバントを混ぜて免疫し、関節炎、足背の腫脹が起きることを確認した。しかしコンスタントに同程度に関節炎を起こすことが難しく、また関節炎の程度もそれほど著明ではなく、炎症関節の組織所見においても、リンパ球の集籏は軽度で、1足全体からリンパ球を取り出すと、骨髄細胞が大部分を占めてしまい、増殖滑膜中のリンパ球のみを回収することが難しく、以後の実験は行き詰まっている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Hirata, D., Nagashima, T., Okazaki, H., Minota, S.: "Elevated muscle enzymes in a patient with severe hypocalcemia mimicking polymyositis"Mod Rheumatol. 12. 186-189 (2002)
-
[Publications] Iwamoto, M., Nara, H., Minota, S., Nishimoto, N.: "Humanized monoclonal anti-interleukin-6 receptor antibody for treatment of intractable adult-onset Still's disease"Arth & Rheum. 46. 3388-3389 (2002)
-
[Publications] Masuyama, J., Kaga, S., Kano, S., Minota, S.: "A novel costimulation pathway via the 4C8 antigen for the induction of CD4+ regulatory T Cell"J Immunol. 169. 3710-3716 (2002)
-
[Publications] Okazaki, H., Kakurai, M., Hirata, D., Kano, S., Minota, S.: "Characterization of chemokine receptor expression and cytokine production in circulating CD4+ T cells from patients with atopic dermatitis : up-regulation of C-C chemokine receptor 4 in atopic dermatitis"Clin Exp Allergy. 32. 1236-1242 (2002)
-
[Publications] Hirata, D., Nara, H., Okazaki, H., Minota, S.: "von Reckinghausen Disease in a Patient with X-linked Agammaglobulinemia"Internal Medicine. 41. 1039-1043 (2002)
-
[Publications] Okazaki, H., Hirata, D., Kano, S., Minota, S.: "Effects of FTY720 in MRL-1pr/1pr Mice : Therapeutic Potential in Systemic Lupus Erythematosus"J Rheumatol. 29. 707-716 (2002)