2001 Fiscal Year Annual Research Report
E型肝炎ウイルス粒子を用いた肝指向性遺伝子導入技術の開発
Project/Area Number |
13670507
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
井本 一郎 三重大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90176511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 繁憲 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (80260602)
足立 幸彦 三重大学, 医学部, 教授 (50111026)
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Keywords | E型肝炎ウイルス / 肝臓 / 遺伝子導入 / virus-like particle |
Research Abstract |
E型肝炎ウイルス(HEV)のcpsid proteinのopen reading frameのcDNAをbaculovirusに組み込み昆虫細胞で発現させることで、capsid proteinだけで構成される中空粒子のvirus-like particle(VLP:HEV-VLP)を作製し、この遺伝子を含まないHEV-VLPに発現ベクターを封入した。具体的には、VLPをsuspensionしたbuffer中にEGTAを加え、さらに発現ベクターを加えたあとここに過飽和のカルシウムを添加することで発現ベクターを封入したVLPを再構築した。GFPの発現ベクターを封入したVLPをヒト肝癌細胞であるHepG2細胞やSK-HEP-1細胞の培地中に添加することで、細胞中に発現ベクターを遺伝子導入することが可能であった。また、腎、大腸、膀胱、膵などの臓器由来の上皮細胞、あるいは神経由来の非上皮細胞など多くの組織由来の培養細胞株にHEV-VLPを用いて遺伝子導入が可能であった。現在、GFPおよびluciferaseを封入したHEV-VLPの大量精製をおこない、マウス肝に直接穿刺投与し、発現効率、発現部位の検討をおこなっている。また、体質性黄疸であるCrigler-Najjar症侯群I型の病態モデルであるGunnラットへの投与を目的に、ビリルビンUDPグルクロン酸転移酵素遺伝子UGT1A1の発現ベクターとコントロールとして酵素活性を持たない変異体UGT1A1の発現ベクターを作製した。
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