2001 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍組織における特異的自家蛍光発生機構の解明とがん早期診断への応用
Project/Area Number |
13670559
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
荻原 達雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80011196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 修 順天堂大学, 医学部, 助手 (80296871)
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Keywords | 自家蛍光 / 蛍光スペクトル / 消化管 / 腫瘍 / 内視鏡 / がん診断 / 胃癌 / 大腸癌 |
Research Abstract |
生体組織に青色光を照射すると腫瘍組織では非腫瘍組織に比してより赤色偏移した自家蛍光が励起される機構を解明しがん早期診断への応用に関する研究を行った。内視鏡的自家蛍光観察装置を用いた検討で、大腸粘膜では腫瘍部と背景正常粘膜との自家蛍光の差が大きく、病変の検出が通常内視鏡単独よりも容易であったのに対し、胃粘膜では粘液の付着や粘膜炎の存在のため、自家蛍光観察による診断能については擬陽性が多いことや未分化癌の診断能が低いなどの点が明らかとなった。腫瘍特異性のある自家蛍光発生機構を解明するため、波長の異なる3種類の励起光(青色光、紫色光、紫外光)についてそれぞれの自家蛍光スペクトルを胃、大腸の腫瘍性病変と背景正常粘膜を同時に測定し、異なる励起光による自家蛍光スペクトルの特徴を比較検討した。自家蛍光スペクトルについては、いずれの励起光についても緑色部にスペクトルのピークがあったが腫瘍組織と正常粘膜で異なったスペクトル波形が得られた。胃の低〜未分化癌では紫色光および紫外光励起でスペクトルピーク比(癌部蛍光スペクトルのピーク/正常部蛍光スペクトルのピーク)が小さく、自家蛍光観察像でも紫色光励起で病変認識が容易となる傾向がみられたが、胃高分化癌、大腸癌では青色光励起の場合が紫色光、紫外光に比べスペクトルピーク比が小さく、自家蛍光観察像でも青色光励起でコントラストが高く病変認識が容易であった。この結果より、大部分の消化器癌病変では青色光励起の場合が最も腫瘍特異性の高い自家蛍光像が得られることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Namihisa A., Ogihara T., et al: "A new technique : light-induced fluorescense endoscopy in combination with pharmaco endoscopy"Gastrointestinal Endoscopy. 53・3. 343-348 (2001)
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[Publications] Haringsma J., Ogihara T., et al: "Auto fluorescence endoscopy : feasibility of detection of GI neoplasms unapparent to white light endoscopy with an evolving technology"Gastrointestinal Endoscopy. 53・6. 642-650 (2001)
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[Publications] 萩原達雄, 他: "蛍光内視鏡による癌診断"組織培養工学. 28・1. 7-10 (2002)