2002 Fiscal Year Annual Research Report
B型肝炎ウイルス増殖抑制に関与する宿主遺伝子の検討
Project/Area Number |
13670560
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
与芝 真彰 昭和大学, 医学部, 教授 (20010457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 道法 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10250218)
井上 和明 昭和大学, 医学部, 助教授 (90232529)
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Keywords | HBV / get tip / 増殖抑制 |
Research Abstract |
B型慢性肝炎の患者にステロイド中断または3TC中断療法を行う前にまず肝生検とリンパ球の採取を行い、RNAlaterかPaxgeneで固定した後でAGPC法でRNAを抽出する目的で組織またはリンパ球をグアニジンに溶解した。更に3TCまたはステロイド中断療法を行って、肝機能が正常化しかつウイルス増殖が抑制された例に対しては、再度肝生検とリンパ球の採取を行い、同様の方法で組織とリンパ球をグアニジンに溶解した。同時に炎症関連の遺伝子とインターフェロン関連の遣伝子をのせたgene tipの開発を行い、そのチップを用いて発現パターンの解析を行った。その結果HBVの増殖レベルと相関または逆相関する遺伝子の候補をスクリーニングした。さらにその中の主要なものをTaqMan chcmistryによる定量系を構築して、発現量を詳細に検討した。同時にこれらの遺伝子の発現がHBVの増殖に影響を与えうるかどうかを検討する目的で、in vitroの増殖系としてHBVの全長をクローニングしてHuh-7にトランスフェクションして、培養上清中のウイルス量をHBVDNAで測定し細胞内のウイルスの複製状態をサザンブロットにて確認し、十分に増殖能を示したクローンを選択した。その上でこれらのクローンとHBVの増殖に有意な影響を与える可能性のある遺伝子を同時にトランスフェクションさせてウイルス増殖に対する影響を検討した。現在までの検討では増殖レベルを10倍以上変化させる宿主遺伝子は見つかってきていない。数倍レベルの影響を与える遺伝子は幾つか見つかっているが、これがHBVの増殖制御にCRITICALなものであるかどうかは、さらなる検討が必要である。
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[Publications] Yoshiba M, Sekiyama K, Inoue K, et al.: "Accurate predition of fulminant hepatic failure in severe acute viral hepatitis : multicenter study"J Gastroenterol. 37. 916-921 (2002)
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[Publications] 井上和明, 山田雅哉, 渡邊綱正, 与芝 真: "劇症化予知と早期治療を導入し高率の救命を可能にした内科治療システムにおける血液浄化法の意義"日本アフェレシス学会学術大会雑誌抄録集. 21(Suppl). 75 (2002)
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[Publications] 与芝 真: "今日の治療指針"医学書院. 2 (2003)