2002 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の遺伝子発現プロファイルと分子薬理学特性に立脚した合理的化学療法の開発
Project/Area Number |
13670578
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
相羽 恵介 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90150086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 真二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70328293)
小林 直 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (50147310)
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Keywords | 消化器癌 / 耐性因子 / 5-fluorouracil / 予知指標 / DNA array / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究では、抗癌剤感受性の予知因子を同定するために、ヒト癌細胞株(親株)とその抗癌剤耐性株を用いて各種標的分子及び抗癌剤耐性因子の遺伝子発現プロファイル等の解析を行い、それらを基盤とした合理的化学療法の開発を主目的としている。また臨床検体においても抗癌剤感受性の予知因子の検討を平行して試み、可能な場合には同様に各種標的分子及び抗癌剤耐性因子の遺伝子発現プロファイル等の解析を併せて行うことにより、非臨床・臨床の相関性の評価と検討を進め、統合的な知見を得ることも志向している。 分子標的および耐性因子の遺伝子発現プロファイルについては、DNA arrayでの検討が有用であるが、核酸代謝関連酵素等は既して発現が低いため検出が容易ではない。このためarrayにスポットするDNA断片の最適化が必要であるが、ノーザンブロットに準ずる検出精度を実現するために、平成14年度は引き続きその最適化を試行錯誤で調整中である。 臨床検体における検討は、大腸癌90症例(結腸癌58例、直腸癌32例)で、Dukes Stage A:9例、B:24例、C:33例、D:24例からの採取サンプルで行った。分化度は、高分化70例、中分化12例、低分化6例、その他2例、化学療法既治療58例、うち補助化学療法40例、未治療32例であった。化学療法の治療効果を判定し得た22症例では、PR5例、NC9例、PD8例であった。結腸癌と直腸癌との生化学的差異では、腫瘍部の平均TS catalytic activity, TS absolute amount (pmol/mg/min : fmol/mg)は、それぞれ4.4±3.9対4.3±4.7、117±69対112±82であり、両群間に有意差は認められなかった。同様に非進行(PR+NC)群と進行(PD)群での平均TS catalytic activityは、2.51±1.87対5.21±3.50であり、進行群が非進行群に比して低値である傾向がみとめられた(p=0.08)。一方TS absolute amountは90.07±65.96対116.14±63.51であり、両群間に有意差は認められなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Aiba K.: "The evolution of oral chemotherapeutic drugs in outpatients management"Biotherapy. 16(4). 378-384 (2002)
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[Publications] Akaza H, Aiba K et al.: "Globalization of anti-cancer therapies"Jpn J Cancer Chemother. 29(2). 205-214 (2002)
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[Publications] Arakawa Y, Mizunuma N, Aiba K et al.: "Pancreatic islet cell carcinoma with multiple hepatic metastases successfully treated with a streptozocin/5-FU regimen-a case report"Jpn J Cancer Chemother. 29(13). 2561-2564 (2002)
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[Publications] Sugiyama K et al.: "Irinotecan hydrochloride for the treatment of recurrent and refractory non-Hodgkin lymphoma : a single institution experience"Cancer. 94(3). 594-600 (2002)
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[Publications] Aiba K.: "Upper gastrointestinal tumors. in Cancer Chemotherapy & Biological Response Modifiers"Elsevier Science (in press). (2003)