2001 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌細胞の抗腫瘍薬多剤耐性に対するマクロライド系抗生物質の克服メカニズムの解析
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13670593
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
丸山 宗治 富山医科薬科大学, 医学部附属病院, 講師 (40201785)
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Keywords | マクロライド系抗生物質 / 肺癌細胞 / 多剤耐性 / 抗腫瘍薬 / P糖蛋白 / p53 |
Research Abstract |
1.ヒト肺癌細胞株を用い,エネルギー依存性排出ポンプの1つであるP糖蛋白(P-gp : P-glycoprotein)の機能に対する14員環マクロライド系抗生物質クラリスロマイシン(CAM : clarithromycin)の効果を検討した。2.方法:P-gpに対する特異的基質であるrhodamine 123を用い,フローサイトメーターにてP-gpを介する排出機能を解析した。対数増殖期にあるヒト肺癌細胞株をrhodamine 123で90分間処理し,引き続きrhodamine 123(-)のメディウムでさらに30分間培養した後,細胞内のrhodamine 123の蛍光強度を530nmのフィルターを用いフローサイトメーターで測定した。CAMのP-gp機能に対する効果は,細胞株をCAM(5-50μg/ml)で72時間前処理の後,上記方法にしたがい検討した。P-gp機能抑制のpositive controlとしてcyclosporin A(100-1000nM)を用いた。3.結果:(1)p53がwild typeであるヒト肺癌細胞株(A549, RERF-LC-MS, EBC-1)に対して, CAMは濃度依存的にP-gp機能を抑制した。(2)p53を欠失しているヒト肺癌細胞株(H358, H1299)に対して,CAMはP-gp機能を抑制できなかった。(3)CAMのP-gp機能抑制に対するP53 statusの影響を検討するため,wild type p53のRERF-LC-MS細胞にdominant negative p53発現プラスミッド,あるいは,コントロールプラスミッドをtransfectionした後,CAMのP-gp機能に対する効果を解析した。dominant negative p53にてp53機能を抑制しても,CAMのP-gp抑制機能は解除されなかった。
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