2002 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌細胞の抗腫瘍薬多剤耐性に対するマクロライド系抗生物質の克服メカニズムの解析
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13670593
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
丸山 宗治 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (40201785)
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Keywords | マクロライド系抗生物質 / 肺癌細胞 / 多剤耐性 / 抗腫瘍薬 / P糖蛋白 / P53 / clarithromycin / MRP-1 |
Research Abstract |
平成14年度の研究では,14員環マクロライド系抗生物質(CAM: clarithromycin)の多剤耐性蛋白(MRP-1: multidrug associated protein-1)発現および機能に対する影響をヒト肺癌細胞株(A549,GLC4)を用いて行った。(1)CAMはdoxorubicinのA549細胞に対する細胞障害性をMRP-1の作用を抑制することにより増強した。(2)pro-oxidantsであるtBHQや過酸化水素は濃度依存性にA549細胞のMRP-1発現を増強したが,その発現増強はCAMの前投与により有意に低下した。(3)pro-oxidantsは濃度依存性にc-Jun N-terminal kinases(JNKs)を活性化したが,その活性化はCAMの前投与により有意に低下した。(4)doxorubicinはGLC4細胞に対して時間依存性にMRP-1蛋白の発現を増強したが,その発現増強はCAMの前投与によって有意に低下した。以上より,doxorubicinをはじめとする抗腫瘍薬は,そのpro-oxidant作用によるJNKsの活性化を介して腫瘍細胞のMRP-1発現を増強させ,多剤耐性の形質を誘導するものと考えられた。そして,CAMに代表される14員環マクロライド系抗生物質はJNKs活性の抑制作用を通じて抗腫瘍薬のMRP-1発現増強による多剤耐性誘導を抑制している可能性が考えられた。
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