2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウスを用いた閉塞性細気管支炎の病態研究
Project/Area Number |
13670596
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
長谷川 好規 名古屋大学, 医学部・附属病院, 講師 (20270986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川部 勤 名古屋大学, 医学部・附属病院, 医員
下方 薫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10022906)
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Keywords | 閉塞性細気管支炎 / CD40 / LPS / 遺伝子欠損マウス / 肺胞マクロファージ |
Research Abstract |
閉塞性細気管支炎は、病理学的には細気管支周囲の線維化や瘢痕化による細気管支内腔が狭小化や閉塞をきたす病態として知られているが、その病因は不明であり、有効な治療法もない。近年、骨髄移植や心肺移植患者での閉塞性細気管支炎の合併が報告され、リンパ球、マクロファージをはじめとする免疫担当細胞の関与が推測されている。特に、自己抗原や移植片に反応し活性化された肺胞マクロファージとリンパ球応答が、細気管支の炎症の惹起と線維化において重要な役割を果すことが考えられる。本研究では、細胞傷害性T細胞をはじめとする細胞性免疫の誘導にきわめて重要な分子であることが知られているCD40分子を欠損したマウス(CD40遺伝子欠損マウス)を用いた閉塞性細気管支炎ならびに肺障害発症メカニズムについて検討することを目的とした。その結果、平成13年度には40遺伝子欠損マウスはLPS気管支内投与による肺障害に対して抵抗性を示し、とくに、iNOSの発現と引き続くNOの産生ならびにTNF-α,IL-1β,MIP-2,MMPsの分子が、肺組織障害に重要な役割を果たすことを示したが、平成14年度はさらに、肺胞マクロファージに対するLPS刺激によるシグナル伝達の過程の解析をすすめた。その結果、LPSレセプター、TLR4分子からのシグナル伝達の下流でCD40分子の細胞内ドメインが重要な役割を果たす可能性が示唆された。本年度の研究の過程で肺の免疫学的炎症に関わり、抗原提示やサイトカイン産生など炎症の惹起の過程において重要な役割を果すと考えられる肺胞マクロファージとそのシグナル伝達に関わるきわめて重要な知見を得ることができ、今後の閉塞性細気管支炎の動物モデルが作成された時点での病態解析と制御に重要な知見を与えるものと考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Inagaki-Ohara K, et al.: "Critical involvement of CD4O in protection against herpes simplex virus infection in a murine model of genital herpes"Archives of Virology. 147. 187-194 (2002)
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[Publications] Ando Y.et al.: "Polymorphisms of UDP-glucuronosyltransferase and pharmacokinetics of irinotecan"Therapeutic Drug Monitoring. 24. 111-116 (2002)
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[Publications] Hasegawa Y, et al.: "Perfusion and Ventilation Isotope Lung Scans in Constrictive Bronchiolitis Obliterans : A Series of Three Cases"Respiration. 69. 550-555 (2002)
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[Publications] Sato M, et al.: "The expression of DNA methyltransferases and methyl-CpG-binding proteins is not associated with the methylation status of p14ARF. p16INK4a and RASSF1A in hum~ lung cancer cell lines"Oncogene. 21. 4822-4829 (2002)