2002 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息発症機序解明へのアプローチ-抑制性転写因子SOCS-1およびIL-12抑制蛋白の役割-
Project/Area Number |
13670603
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
横山 彰仁 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (30191513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲 哲治 大阪大学, 医学部, 助手 (30303936)
濱田 泰伸 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (80314954)
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Keywords | 気管支喘息 / サイトカイン / SOCS / IL-12 / IL-10 |
Research Abstract |
1)肺SOCS-1の役割 マウス喘息モデルにおいて、SOCS-1,3,5について経時的に検討すると、SOCS-1のみが増加していた。そのSOCS-1がどのような働きをしているのかを明らかにするために、a)リポソームSOCS-1を投与し、SOCS-1を強制発現させる系と、b)SOCS-1KOマウスは3週以内に死亡するため、SOCS-1ヘテロマウスを用いて検討した。その結果、a)SOCS-1の強制発現は、喘息モデルの好酸球性気道炎症を抑制するが、気道上皮の杯細胞化は抑制しないことを明らかにした。また、b)ヘテロマウスにおいて好酸球性気道炎症の発現は、ワイルドタイプのマウスと同等かやや抑制傾向にあったが、炎症の消退過程は有意に遅延していた。以上の結果から、内因性SOCS-1は、気道炎症の消退過程を促進する因子と考えられた。現在、気道過敏性におよぼす影響を検討中である。 2)IL-12抑制蛋白について 喘息モデルマウスにおける長期的な抗原暴露は気道過敏性の抑制をきたすが、その際に肺IL-12の増加が特徴的であった。IL-12の増加機序として、試験管内の検討によって、生体内におけるT細胞由来のIL-12抑制蛋白が減少することが原因と考えられた。そのT細胞が産生するIL-12抑制蛋白は精製の結果分子量と、特異的中和抗体による検討の結果IL-10であることが明らかになった。実際にIL-10とIL-12の生体内での関係を明らかにする目的で、それぞれのKOマウスを用いて、検討をおこなっている。これまでに、IL-10KOマウスにおいてOVA感作・チャレンジする喘息モデルでは、気道炎症はおこるものの、気道過敏性は発現しなかった。これが肺IL-12の発現増加に基づくものであるかどうか現在検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sakai, K., Yokoyama, A., Kohno, N., Hamada, H., Hiwada, K.: "Prolonged antigen exposure ameliorates airway inflammation but not remodeling in a mouse model of bronchial asthma."International Archives Allergy and Immunology. 126・2. 126-134 (2001)
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[Publications] Katayama, H., Yokoyama, A., 他: "Production of eosinophilic chemokines by normal pleural mesothelial cells."American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology. 26・4. 398-403 (2002)
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[Publications] Ohnishi, H., Yokoyama, A., 他: "Comparative study of KL-6, SP-A, SP-D and MCP-1 as serum markers for interstitial lung diseases"American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine. 165・3. 378-381 (2002)
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[Publications] Irifune, K., Yokoyama, A., Kohno, N., Sakai, K., Hiwada, K: "Type 1 helper T cells induce alveolitis but do not lead to pulmonary fibrosis in mice."European Respiratory Jounal. 21・1. 11-18 (2003)