2001 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息の気道過分泌病態における新Cl^-チャンネルの病因的意義
Project/Area Number |
13670613
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
戸田 正夫 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50175478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相良 博典 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80275742)
福島 康次 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00254996)
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Keywords | IL-9 / IL-9R / HCLCA1 / 気管支喘息 / 気道分泌 |
Research Abstract |
【背景】近年、IL-9遺伝子導入マウスにおいて、喘息同様の気道炎症、気道リモデリングが誘導されることが示された。ことに気道分泌亢進病態に関して、IL-9がMUC5A/Cの発現を亢進し、気道上皮分泌細胞の過形成を含む、分泌過剰を生ずることが示唆された。加えて、IL-9過剰発現マウスにおける新規のCa^<2+>依存性Cl^-チャネルHCLCA1の発現亢進が認められ、このチャネルの気道分泌過剰への関与を推測させる。 【目的】喘息患者の気道において、実際にHCLCA1の発現の亢進が認められるかどうか、またそれが気道分泌異常と関わりについて検討するため、喘息患者ならびに非喘息健常者、経気管支鏡的気管支粘膜生検組織において、ムチン含有上皮細胞、IL-9およびIL-9受容体(IL-9R)、ならびにHCLCA1mRNAの局在を確認、比較検討した。 【方法】気管支粘膜生検組織において、PAS/AB染色、抗IL-9抗体および抗IL-9R抗体によるAPAAP法による免疫染色、ならびにHCLCA1 mRNAアンチセンスRNAによるin situ hybridization(ISH)を行い、比較検討した。 【結果】喘息気道粘膜では、健常者のものに比較して、PASならびにAB染色上皮細胞、IL-9陽性細胞数とともに、IL-9R陽性上皮細胞、ならびにHCLCA1mRNA陽性細胞数が有意に増加し(すべてP<0.001)、HCLCA1mRNA陽性細胞とPAS陽性細鞄(r=0.64)、またIL-9およびIL-9R陽性細胞とPAS陽性細胞(各々r=0.83、r=0.78)の各発現との間に有意の相関(すべてP<0.05)が認められた。 【結論】喘息気道における過剰分泌病態にはIL-9とともにHCLCA1の発現が強く関与している可能性が示された。
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