2001 Fiscal Year Annual Research Report
変異CFTR蛋白の気道炎症への関与とマクロライド薬による修飾機構の解析
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13670619
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉村 邦彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60246452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 薫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90212357)
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Keywords | CFTR / マクロライド / 遺伝子変異 / びまん性汎細気管支炎 / ΔF508 / cystic fibrosis / mutagenesis / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
CFTRは常染色体劣性遺伝性疾患である嚢胞性線維症(cystic fibrosis, CF)の病因分子であり,CFTR遺伝子の変異に基づく同蛋白の量的ないし質的異常がCFを引き起こす.しかしながら,CFTRが典型的CF症例の病因のみならず,さまざまな疾患の成因や修飾因子として重要な役割を果たしていることが近年の研究から次々に明らかにされている.我が国のCF例でのCFTR遺伝子変異スペクトラムが欧米人のそれらと大きく様相が異なることをこれまでの我々の研究から明らかにしてきたが,本研究はさらにこれらの知見を発展させ,我が国の患者に見いだされるCFTR変異の蛋白レベルでの機能障害機構をより明確にし,さらにマクロライド(MA)薬の気道炎症患者に対する有効性に関して,その制御機構をCFに類似する呼吸器病変を呈するびまん性汎細気管支炎(DPB)に潜在的に関わるCFTR蛋白の機能的側面から解明するものである. 平成13年度は,まず上皮細胞におけるCFTR遺伝子の発現量,splicing,蛋白翻訳とMAのそれらへの作用を検討し,MAがCFTR発現レベルには明らかな変化をもたらさないものの,exon 9のsplicingを微増させることを見いだした.さらにチャネル機能へのMAの修飾作用に関して野生型のCFTRとCFTRΔF508で恒久的に形質転換された極性を有する細胞株LLCPK,LLCPKΔF508を用いてエリスロマイシンなどのMA刺激の影響を検討し,MAが軽度ながらもCFTRチャネルの活性化ももたらしうる可能性を見いだした. ついで,わが国のCFやDPB,先天性両側精管欠損症(CBAVD)において複数の患者に共通に見いだされるCFTR遺伝子多型125C,およびCFTRミスセンス変異Q1352Hについて,RSV-LTR promoterで駆動されるCFTR発現プラスミドベクターpRSV-CFTRをもとにin vitro mutagenesisの手法を用いて作成した.これらをLLCPK細胞に導入後,恒久的発現細胞株を樹立し,それぞれの機能的欠陥の確認と,さらにCFTR機能に対するMA剤の作用を解析する.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 吉村邦彦, 衛藤義勝: "日本人cystic fibrosis患者のCFTR遺伝子変異解析"厚生労働省特定疾患対策研究事業 「難治性膵疾患に関する調査研究班」 平成12年度研究報告書. 245-250 (2001)
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[Publications] 吉村邦彦, ほか: "嚢胞性線維症におけるCFTR遺伝子の解析"厚生労働省特定疾患対策研究事業 「難治性膵疾患に関する調査研究班」 平成12年度研究報告書. 96-100 (2001)
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[Publications] 吉村邦彦, ほか: "DPBとして加療され経過中に呼吸不全にて死亡したcystic fibrosisの1例"Therapeutic Research. 21-8. 1876-1878 (2001)
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[Publications] 青木 薫, 吉村邦彦: "喫煙感受性遺伝子と呼吸器疾患"呼吸. 20-10. 952-959 (2001)
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[Publications] 吉村邦彦: "呼吸器疾患関連遺伝子異常-日本におけるCFの現状-"分子呼吸器病. 5-3. 244-250 (2001)
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[Publications] 吉村邦彦: "単遺伝子性遺伝性疾患:嚢胞性線維症"日本胸部臨床. 60-増刊号. S161-169 (2001)
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[Publications] 吉村邦彦: "遺伝子検査早わかり事典:嚢胞性線維症 (cystic fibrosis, CF)"中井利昭ら編, 中外医学社. 99 (2001)