2002 Fiscal Year Annual Research Report
Stiff-man症候群の病態生理の検討:gephyrinの局在と臨床的意義
Project/Area Number |
13670630
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
林 明人 順天堂大学, 医学部, 講師 (60180957)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大越 教夫 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80203751)
|
Keywords | Stiff-man症候群 / 抗gephyrin抗体 / 傍腫瘍性Stiff-man症候群 / 抗amphiphysin抗体 / 抗GAD抗体 / 免疫沈降法 |
Research Abstract |
Stiff-man症候群の神経免疫学的検討 目的 Stiff-man syndrome(SMS)はGABA作動性抑制介在ニューロンの機能障害によっておこるとされ,自己免疫疾患と考えられている.臨床的にSMSと診断した患者9例について申請したwestern blot用試薬を用い,自己抗体の有無を検討した. 方法 対象は臨床的にSMSと診断された患者9例(男女比5:4,平均年齢53.6歳).最初にラット脳ホモジネートを用いて患者血清または髄液でwestern blotを行った.次にラット脳ホモジネートと患者血清または髄液を用いて免疫沈降を行い,抗GAD抗体,抗amphiphysin抗体,抗gephyrin抗体を用いてwestern blotを行った. 結果 自己抗体陽性例は9例中4例で,その内訳は抗GAD抗体1例,抗gephyrin抗体1例,抗amphiphysin抗体2例であった.抗gephyrin抗体陽性例では縦隔腫瘍を合併しており,抗amphiphysin抗体陽性の患者1例には2年後に乳癌が発症した.抗amphiphysin抗体陽性例のうち,乳癌を後に発症した症例では通常のwestern blot,免疫沈降法とも抗体が容易に検出されたが,腫瘍を伴わない症例では通常のwestern blotでは抗体は検出されず,免疫沈降法ではじめて抗体が検出可能となった. 考察 (1)免疫沈降法は通常のwestern blotでは検出不能であった自己抗体を検出でき,SPSの自己抗体検索において有用であると考えられた. (2)抗GAD抗体陽性のSPSは今回の検索では1例のみであり,現在報告されているより陽性率が少ない可能性があるが,今後症例の蓄積が必要である. (3)抗体陰性例には未知の自己抗体が存在する可能性が有り,さらなる検討が重要である.(772字)
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Ishii A: "Detection of gephyrin antibody in stiff-person syndrome"J Neurol Sci. 199. S77 (2002)
-
[Publications] Butler MH: "Autoimmunity to gephyrin in stiff-man syndrome"Neuron. 26. 307-312 (2000)
-
[Publications] Hayashi A: "Doublefiltration plasma exchange and immunoadsorption therapy in a case of stiff-man syndrome with negative anti-GAD antibody"Journal of Medicine. 30. 321-327 (2000)
-
[Publications] 原田祐輔: "縦隔腫瘍を合併し,頭頸部と下肢に著明な反射性ミオクローヌスをみとめたstiff-man症候群の1例"臨床神経学. 39. 1025-1028 (1999)