2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の生存維持におけるDNA修復蛋白質の役割-神経変性疾患の発症機序として-
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13670648
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川端 昌弘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30204762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 公祐 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30222540)
川端 晃幸 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60201448)
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Keywords | Trad / Rad51D / RecA / Rad51 / recombination / repair |
Research Abstract |
神経変性疾患の発症機序の一つとしてDNAの欠失や変異が蓄積して変異タンパク質により細胞機能が傷害されて神経細胞死が起こることが考えられている。神経細胞が長期にわたり生存し、正しく機能するためには、細胞の機能を司るタンパク質をつくる遺伝子に傷害がないことがきわめて重要である。本研究計画では、この点に着目して、私たちが発見し、Tradと命名したDNA修復タンパク質がDNA損傷による神経細胞死にどのように関与しているかを明らかにするための検討を行った。私たちはすでにこの修復タンパク質が脳で高い発現が認められることを見出しており、中枢神経細胞で重要な役割を果たしていることが示唆されている。 本年度は以下の研究を実施した。1)マウス個体でのDNA修復蛋白質(Tradを含む)の組織分布を調べるため、マウス各発達段階8,9,10,12,13,14,15,16dayの組織標本を作製した。2)すでに作成していたTradのグルタチオン-S-トランスフェラーゼ融合タンパク質に対する抗体をウエスタンブロッティング法で特異性の確認をしたところ、複数のバンドが確認された。3)新たに3カ所の抗ペプチド抗体を作成し、ウエスタンブロッティング法を行ったところ、すべての抗ペプチド抗体で複数のバンドが確認された。私たちはヒトとマウスではmRNAレベルにおいて複数のスプライスバリアントが存在することを確認しており、ウエスタンブロッティングの結果はそれを裏付けるものである可能性がある。4)すでに遺伝子のクローンニングがなされているマウスRAD51/recA familyすべてのグルタチオン-S-トランスフェラーゼ融合タンパク質を作成し、発現誘導を行ったところ、Rad51,Rad51B, Rad51C, Xrcc2,Xrcc3の5種類では、誘導によって発現したと思われるはっきりとしたバンドが確認されたが、DMC1は発現誘導したサンプルと誘導しなかったサンプルの間で明らかな差が認められなかった。
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