2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670660
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岩田 真一 鹿児島大学, 医学部, 助手 (60253861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野元 正弘 愛媛大学, 医学部, 教授 (50208401)
清水 隆雄 鹿児島大学, 医学部, 講師 (10041336)
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Keywords | パーキンソン病 / マウス / 6-ハイドロキシドパミン / 網羅的遺伝子発現解析 / ジーンチップ / マイクロアレー / ATAC-PCR / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究は昨年度に始まり、今年度で終了する2年間の研究である。昨年度はジーンチップを用いた予備実験を行い、ジーンチップの長所と短所を検討した。そして、本研究では定量性とコストパファーマンスの良いアダプター付加競合PCR (ATAC-PCR)という実験方法を採用することとし、実験系のセットアップを行った。今年度は本研究の目的である中脳ドパミン細胞の変性予防薬の開発の基礎資料となる、パーキンソン病でのドパミン神経細胞変性の機序について検討した。 (1)方法:線条体に6-hydroxydopamine(6-OHDA)を投与してドパミン神経細胞を逆行変性させた動物をパーキンソン病モデルとした。動物は遺伝情報の多いマウスを使用した。 6-OHDA投与後2、24時間、14日後に黒質を取り出し遺伝子の発現をATAC-PCRで定量した。 (2)結果:細胞死や保護に関係する約300の遺伝子発現を検討し、95の遺伝子が黒質で発現していた。 その中で遺伝子発現量が経時的に変化したのは12種であった。 神経細胞変性の機序としてcyclin D1の活性化により本来細胞分裂しない神経細胞に細胞周期が開始してしまうことが考えられた。 分裂細胞でcyclin D1に引き続いて活性化するcyclin D3は無変化であったので、細胞周期は進行できなかったと考えられた。 大多数の遺伝子は一過性の発現変化のみを示した。 SRK (serum-and glucocorticoid-regulated kinase)とPERP (p53 apoptosis-associated target)は持続的に上昇していた。 SRKは細胞が萎縮すると発現が誘導され細胞保護に働くと考えられており、PERPは細胞死に関連している。
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