2001 Fiscal Year Annual Research Report
孤発性アルツハイマー病におけるRNAエディティング異常の検討
Project/Area Number |
13670662
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
詫間 浩 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00326258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富山 貴美 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (10305633)
森 啓 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10159189)
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Keywords | 弧発性アルツハイマー病 / RNA editing / プレセニリン / APP / ニカストリン |
Research Abstract |
本研究ではアルツハイマー病の大多数を占める孤発例の発症機構として、post-transcriptional modificationの1つとしてRNA editingの可能性を考え、アルツハイマー病脳組織を用いた分析を実施した。 分析対象は正常2例、孤発症例11例、家族性アルツハイマー病1例の凍結脳組織よりPolyATtract System 1000(Promega社)で抽出したmRNAを鋳型にしReverse Transcription System(Promega社)により逆転写を実行した。得られたDNAを鋳型としたPCRを行い、さらにDNA Sequencing Kit(BigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction、ABI社)を用いて塩基配列を(ABI PRIZM 310型)決定した。各PCRに使用したprimerは、RTがキット付属のoligo(dT)15primer、および3つのアルツハイマー病関連遺伝子(プレセニリン1、APP(アミロイド前駆体蛋白)、ニカストリン)をカバーする特異的primersである。 正常例ではいずれの遺伝子も変異がなかったが、早期発症型家族性アルツハイマー病では、APP変異V7171(Gtc→Atc)が見出された。この症例には同時にプレセニリン1変異A305A(gcT→gcA)も確認された。このサイレンス変異の意義は不明であるが、明らかAPP変異が大きな生物学的な意義があると考えられる。 一方、孤発症例の中でプレセニリン1変異L153L(ctG→ctC)が発見された。現在この1症例だけに見出されたが、APPやニカストリン遺伝子には変異がなかった。今後、この症例でのアミロイド蛋白の異常を検討することが次の重要な検討課題であると考える。さらに、これまでの調査では、ニカストリンには全く変異や多型性が見出されていないが、その作用機構がプレセニリン結合であることを考えると、プレセニリン1変異の相補的な変化も今後の重要なポイントになると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takuma H, Sakurai M, , Kanazawa I: "In vitro formation of the cortico-spinal synapses in organotypic slice co-culture"Neuroscience. 109. 359-370 (2002)
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[Publications] Takuma H, Shimada H, Inoue Y, et al.: "Hypertrophic pachymeningitis with anti-neutrophil cytoplasmic antibody (p-ANCA), & diabetes insipidus"Acta Neurologica Scandinavia. 104. 397-401 (2001)