2003 Fiscal Year Annual Research Report
アシドーシスにより増悪する虚血性神経細胞障害の分子生物学的機構の解明
Project/Area Number |
13670671
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
桂 研一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (50297892)
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Keywords | アシドーシス / 高血糖 / 高炭酸ガス血症 / PKC / CaMKII / ERK |
Research Abstract |
完全脳虚血、モデルを用いた、protein kinase C(PKC),Calcium/calmodulin dependent protein kinase II(CaMKII)への増強したアシドーシスの及ぼす影響についてのこれまでの研究成果の上にたち、さらに研究を進めるために、虚血再潅流モデルを用い、アシドーシスを虚血前高血糖および、虚血前中高炭酸ガス血症により増悪させ、虚血をかけ、再潅流時のprotein kinase, protein phosphorylationについて検討した。 【方法】雄ラットの総頚動脈閉塞による前脳虚血及び再潅流モデル(10分間虚血)を用いた。虚血前に30分間glucoseを静注し、虚血前高血糖にしたラットと、高炭酸ガスを呼吸させPC02を300mmHgにコントロールしてから虚血をかけたラットを用いた。虚血再潅流後0.5時間、3時間にて液体窒素にて脳を凍らせ、保存した。Cingulate cortexを切り出し保存した。サンプルのhomogenateを細胞質分画、膜分画に分けた後western blot法にてPKCγ、CaMKII、phosphotyrosine, extracellular-signal regulated kinase (ERK)を測定し検討した。 【結果と考察】高血糖群にてPKCγの細胞質より膜分画へのtranslocationは促進していたが、高炭酸ガス血症群では顕著ではなかった。CamKIIはアシドーシス増強により影響を受けなかった。膜分画のtyrosine phosphorylationと細胞質でのERKは高血糖群でのみ増強されていた。 Cingulate cortexのダメージにprotein kinaseとERKシステムが関与している可能性があり、高血糖はアシドーシスのみでなく、他のメカニズムを介してこれらに影響していることが推察された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] J.Kurihara, K.Katsura, B.K.Siesjo, T.Wieloch: "Hyperglycemia and hypercapnia differently affect post-ischemic changes in protein kinases and protein phosphorylation in the rat cingulate cortex"Brain Research. 995. 218-225 (2004)