2001 Fiscal Year Annual Research Report
ATF3による心筋虚血アポトーシスの抑制とその遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
13670696
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10232464)
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Keywords | ATF3 / アポトーシス / AP-1 / アデノウイルスベクター |
Research Abstract |
ATF3(actvatingtranscrptionfactor3)は転写因子ATF/CREB familyの一員で,心筋虚血や白血病細胞におけるドキソルビシン(DOX)刺激などの様々なストレスにより誘導されることが知られている。ATF3はAP-1またはATF/CRE familyとheterodimerを形成し、CRE siteやAP-1siteへ結合して、転写を活性化する一方で、ATF3のhomodimerは転写を抑制することが知られている。本研究では、心筋培養細胞のDOX誘導性アポトーシスにおけるATF3の役割を検討した。培養心筋細胞において、ATF3はDOX刺激により、mRNAレベルでは1時間後を、蛋白レベルでは3-4時間後をピークとした上昇が認められた。さらにATF3の機能を解明するためにATF3を発現するアデノウイノレスベクターを作成した。Westemblotにて、アデノウイルスベクターにより、ATF3が培養心筋細胞に発現されたことを確認した。ATF3発現により、DOX誘導性アポトーシスが有意に抑制されることが、flow cytometry, cell viability assay、TUNEL染色で確認された。ゲルシフトアッセイにより、核内のATF3がAP-1siteと結合することを確認した。このことから、ATF3のhomodimerがAP-1siteに結合することにより、何らかのアポトーシス誘導遺伝子の発現抑制を介して、anti-apoptoticに働いている可能性が示唆された。これらのことよりATF3は心筋細胞においては抗アポトーシス作用を持つことが示され、心筋保護因子としての遺伝子治療などへの応用の可能性が開けるものと考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nobori K, Ito H, Tamamori-Adachi M, Adachi S, Ono Y, et al.: "ATF3 Inhibits Doxorubicin-induced Apoptosis in Cardiac Myocytes ; A Novel Cardiorotective Role of ATF3"J. Mol. Cell Cardiol. (in press). (2002)
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[Publications] Nozato T, Ito H, Watanabe M, Ono Y Adachi S, Tanaka H, et al.: "Overexpression of cdk inhibitor p16^<INK4a>by adenovirus vector inhibits cardiac hypertrophy in vitro and in vivo : a novel strategy for therapy of cardiac hypertrophy"J. Mol. Cell Cardiol.. 33. 1493-1504 (2001)
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[Publications] Adahi S, Ito H, Tamamori M, Ono Y, Nozato T, Abe S, et al.: "Cyclin A/cdk2 activation is involved in hypoxia-induced apoptosis in cardiomyocytes"Ciro Res. 88. 408-414 (2001)