2001 Fiscal Year Annual Research Report
血管リモデリングにおけるレムナントの役割と分子メカニズム
Project/Area Number |
13670711
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 雄一 神戸大学, 医学部, 教授 (90159707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嶋 成乃亮 神戸大学, 医学部, 助教授 (10177678)
谷口 隆弘 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (20263379)
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Keywords | カイロミクロンレムナント / 血管内非細胞 / 血管平滑筋細胞 / アポートシス / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
1.カイロミクロンレムナントの生理的調整 ラットに脂肪食負荷して得たリンパ液から超遠心法にて精製したカイロミクロンを、肝血流を遮断して機能的肝切除術を施行した別のラットに静注し、3時間後に脱血し再度超遠心を行いカイロミクロンレムナント精製する方法を確立した。得られたカイロミクロンレムナントはカイロミクロンと比較してアポ蛋白Eに富み、またlysophosphatidyl choline(lysoPC)を12倍多く含有していた。 2.レムナントの培養血管内店細胞に対する作用 カイロミクロンレムナントをヒト臍帯静脈内皮細胞に加えて培養したところ、アポトーシスによる細胞死を認めた。カイロミクロンレムナントによりTUNNEL陽性細胞およびAnnexin-V結合細胞の増加を認めた。このアポトーシスの細胞内情報伝達経路を検討したところ、CPP32/caspase-3の活性化を認めた。 3.レムナントの培養血管平滑筋細胞に対する作用 ラット培養血管平滑筋細胞に対するカイロミクロンレムナントの影響を検討した。カイロミクロンレムナントをラット培養血管平滑筋細胞に加えて培養したところ動脈硬化において重要な役割を果たすケモカインの一つであるMonocyte chemoattractant proten-1(MCP-1)のmRNAと蛋白分泌の双方を増加させた。カイロミクロンレムナントは平滑筋細胞においてp38MAPキナーゼとERK1/2キナーゼの両者を活惟化させたが、MCP-1の分泌に至るシグナル伝達にはp38MAPキナーゼのみが関与していた。
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