2002 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレット解析を用いたリアルタイムカラー血管内エコー法の開発
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13670715
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤井 崇史 山口大学, 医学部, 助教授 (60228947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣 高史 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (10294638)
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Keywords | ウェーブレット解析 / 血管内エコー法 / 不安定プラーク / カラーマッピング法 / 冠動脈プラーク |
Research Abstract |
1.研究目的 脂質コアの量は動脈硬化病変の安定性を決めるきわめて重要な因子であり、それを生体で描出できる意義は極めて大きい。血管内エコー画像のウェーブレット解析が動脈硬化プラークの脂質コアの同定に有用であることを世界に先駆けて発表してきた。そこで、冠動脈内エコー画像のウェーブレット解析を、現在よりも高速にカラーマッピング表示できる新型の血管内エコー法を開発して、得られた画像を冠動脈の組織学的所見と比較する。このことにより、この方法が冠動脈プラークの組織性状診断をin vivoで行うために有用な方法であり、臨床応用が可能であるかが明らかとなる。 2.研究方法 1)カラーマッピングしたエコー画像の各色の部分の面積、占有率などを測定した。この測定には画像解析ソフトNIH imageを用いた。 2)エコー画像を得た部位の組織切片を作成し、種々の組織染色を施行して研究用マクロ明視野顕微鏡を用いて膠原線維、弾性線維、脂肪、石灰化、平滑筋を同定した。さらに偏光顕微鏡(Nikon社製X2TP-11型)を用いてこれらの組織成分の占める割合を定量的に同定した。この定量的同定にあたっては顕微鏡デジタルスチルカメラを用いてパーソナルコンピュータに取り込むことにより行い、測定は画像解析ソフトを用いた。 3)血管内エコー法のカラー表示画像の各色の領域が、上記のどのような組織成分と対応するかを定性的かつ定量的に統計的に検討した。 3.研究の成果 臨床剖検例10例の冠動脈組織を採取し、約40断面のエコー画像をウェーブレット解析し、カラーマッピングを行った。同時にエコーで観察した同じ部位の組織切片を作成し、その組織像とカラーマツピング画像を比較したところ約80%以上の一致率を示しており、プラークの組織診断法として有用な方法であることが証明された。今後はより精度を高めるため、エコーノイズの除去法や膠原線維であるが複雑な走行を示すために細胞成分や脂肪成分との識別が困難な場合の処理法など不安定プラークの診断率をさらに高めるべく改良を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Murashige: "Detection of Lipid-laden Atherosclerotic Plaque by Wavelet Analysis of Rapid-frequency Intravascular Ultrasound Signals"Circulation Circulation. 106巻suppl. 1627 (2002)
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[Publications] T.Murata: "Impact of the cross-sectional geometry of the post-deployment coronary stent on in-stent neointimal hyperplasia an intravascular ultrasound study"Circulation Journal. 66巻5号. 489-494 (2002)