2002 Fiscal Year Annual Research Report
p27^<kip1>新規アイソフォームによる血管系細胞の細胞周期制御機構の解明
Project/Area Number |
13670723
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平野 勝也 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80291516)
|
Keywords | 血管平滑筋 / 血管内皮細胞 / サイクリン依存性キナーゼ阻害因子 / アイソフォーム / 核移行シグナル / 動脈硬化 / 転写 |
Research Abstract |
1.p27^<Kip1R>は、塩基性アミノ酸に代わり疎水性アミノ酸が機能を果たすという点で非典型的な、2分裂型核移行シグナルを有することを明らかにした。p27^<Kip1R>は、領域153-168が有意な核移行に必要な配列であることが明らかになった。この領域には塩基性アミノ酸は一残基(K168)しか含まれない。p27^<Kip1R>の大部分は核に局在するが、部細胞質にも局在した。しかし、I169を塩基性アミノ酸Rに置換すると、p27^<Kip1>同様に核に限局した。一方、p27^<Kip1>のR166をIに置換すると、p27^<Kip1R>と同様の細胞質への局在が認められた。また、p27^<Kip1R>において、K168とI169を同時にアラニンに置換すると有意な核移行は完全に消失した。I169は、p27^<Kip1R>の核移行において重要な機能を果たすことが示唆された。 2.GFP発現系を用いて細胞増殖に及ぼす影響を解析し、p27^<Kip1R>の増殖抑制因子としての機能を明らかにした。増殖抑制には、p27^<Kip1>と共通のN末端領域が必要である。 3.6週齢SHRの大動脈にはp27^<Kip1>が、正常ラットではp27^<Kip1R>が、主なアイソフォームとして発現する。週齢を重ねると、SHRにおいてもp27^<Kip1R>発現が優位になる。正常ラット大動脈を培養するとp27^<Kip1R>が消失し、p27^<Kip1>が主に発現する。個体レベルで、血管の増殖性とp27^<Kip1R>発現に逆相関が示唆された。 4.Kip1遺伝子プロモーター活性が、細胞間接触により亢進することを明らかにした。この活性増加には.、翻訳開始点より上流2000-2350bpの領域が必要であった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Hirano K, Zeng Y, Hirano M, Nishismura J, Kanaide H: "Sequence requirement for nuclear localization and growth inhibition of p27^<Kip1R>, a degradation-resistant isoform of p27^<Kip1>"J Cell Biochem. (in press).
-
[Publications] Nakayama T, Hirano K, Shintani Y, Nishimura J, Nakatsuka A, Kuga H, Takahashi S, Kanaide H: "Unproductive cleavage and inactivation of protease-activated receptor-1 by trypsin in vascular endotheial cells"Br J Pharmacol. 138. 121-130 (2003)
-
[Publications] Takahashi R, Nishimura J, Hirano K, Naito S, Kanaide H: "The mechanisms for tachykinin-induced contractions of the rabbit corpus cavernosum"Br J Pharmacol. 137. 845-854 (2002)
-
[Publications] Ihara E, Hirano K, Hirano M, Nishimura J, Nawata H, Kanaide H: "The mechanism of down-regulation of L-type Ca^<2+> in the proliferating smooth muscle cells of rat aorta"J Cell Biochem. 87. 242-251 (2002)