2001 Fiscal Year Annual Research Report
冠攣縮性狭心症の病因・病態におけるγ-GCS遺伝子異常の役割に関する研究
Project/Area Number |
13670728
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
久木山 清貴 山梨医科大学, 医学部, 教授 (00225129)
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Keywords | 酸化ストレス / 冠攣縮性狭心症 / 血管内皮細胞 / 遺伝子多型 / グルタチオン |
Research Abstract |
冠動脈攣縮(冠攣縮)は心筋梗塞を含む冠動脈疾患全体の病態に大きく関与している。特に本邦において罹患頻度が高いことから、冠攣縮の発症機序に人種的・遺伝的要因が関与している可能性があるが、その詳細は未だ明らかではない。本研究者らは本症の発症機序の一因として酸化ストレスが関わっていることを示してきた。還元型グルタチオン(GSH)は細胞内レドツクス制御に重要な役割を果たし、γ-glutamylcysteme synthetase(γ-GCS)がその産生の律速酵素となっている。よって、本研究にて、γ-GCS遺伝子多型が冠量縮の発症・病態に関与しているか否かを検討するために、γ-GCS遺伝子における多型の検出および見出したγ-GCS遺伝子多型の冠量縮例における出現頻度を検討した。その結果、我々はγ-GCS遺伝子にいくつかの多型が存在することを見出した。さらに、そのうちのいくつかの遺伝子多型が冠攣縮性狭心症患者に有意差を持って高頻度に出現していることを確認した。今後、さらに(1)抗酸化剤による本症の治療効果に及ぼすγ-GCS遺伝子多型の影響、(2)γ-GCS遺伝子多型の同遺伝子機能に及ぼす影響とその機序の解明に向けた研究を展開する予定である。本研究を完遂することで冠攣縮の病態を解明するとともに、その診断・治療・予防法の新たな開発を試みる。冠攣縮は狭心症、心筋梗塞及び突然死等の虚血性心疾患の病因に関わっているため、本研究によって虚血性心疾患全体の診療レベルが向上すると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kawano H, Kugiyama K, et al.: "Endothelial dysfunction in hypercholesterolemia is improved by L-arginine administration : possible role of oxidative stress"Atherosclerosis. 161. 375-380 (2002)
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[Publications] Fukushima H, Kugiyama K, et al.: "Comparison of remnant-like lipoprotein particles in postmenopausal women with and without coronary artery disease and in men with coronary artery disease"Am J Cardiol. 88. 1370-1373 (2001)
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[Publications] Kawano H, Kugiyama K, et al.: "Menstrual cyclic variation of myocardial ischemia in premenopausal women with variant angina"Ann Intern Med. 135. 977-981 (2001)
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[Publications] Kawano H, Kugiyama K, et al.: "Estradiol supplementation suppresses hyperventilation-induced attacks in postmenopausal women with variant angina"J Am Coll Cardiol. 37. 735-740 (2001)