2001 Fiscal Year Annual Research Report
虚血耐性の機序におけるtyrosine phosphorylationの役割
Project/Area Number |
13670752
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
大久保 信司 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (50213658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武越 襄 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40064539)
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Keywords | 虚血耐性 / 心筋梗塞 / 再灌流障害 / 家兎心筋再灌流モデル / アポトーシス / tyrosine phosphorylation / genistein / second window of preconditioning |
Research Abstract |
(1)Control群(n=10)、(2)IPC群(n=10)、(3)Genistein(5mg/kg)+IPC群(n=10)(4)DMSO+IPC(Vehicle)群(n=10)の4群をそれぞれearly phaseおよびdelayed phaseで行った。Early phaseにおいては、梗塞巣縮小および蛍光染色によるTUNEL陽性のアポトーシス細胞の減少がIPCにより認められ、これらの効果はgenistein投与によっても消失しなかった。Delayed phaseにおいては、IPC群およびvehicleではearly phase同様梗塞巣縮小とアポトーシス細胞の出現は減少した。これに反しgenistein投与群では、梗塞巣の範囲やアポトーシス出現程度はcontrol群と同等であった。また、DNA ladder patternは、early phaseにおいてはIPC群、Genistein-IPC群およびDMSO-IPC群間に差はなく、control群と比較して明らかにladderの発現は減少していた。しかし、delayed phaseにおいては、IPC群ならびにDOSO-IPC群においてladderの発現は、control群ならびにGenistein-IPC群に比して減少していた。以上の結果より、delayed phaseの心筋保護の機序には、複雑な機序が関与しており、梗塞巣縮小効果に関してもアポトーシス形成が関与している可能性が考えられる。これらのことから虚血再灌流によりアポトーシス形成のsignalが発せられ、更にこのsignalがischemic preconditioningにより制御されている可能性があり、この一連の機序にtyrosine kinase signaling pathwayの関与が重要な役割を演じていることが示唆された。
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