2001 Fiscal Year Annual Research Report
リポカリン型プロスタグランディンD合成酵素のアポトーシス抑制機構の解明
Project/Area Number |
13670801
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷池 雅子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30263289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下野 九理子 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
毛利 育子 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | twitcher / オリゴデンドログリア / 脱髄 / アポトーシス / ニューロングリア相関 / プロスタグランディンD_2 / DPR / サイコシン |
Research Abstract |
リポカリン型プロスタグランディンD合成酵素(L-PGDS)のtwitcher(GALC^<twi/twi>)のニューロンとオリゴデンドログリアに対する抗アポトーシス機構を解明することが当研究の目的である。 L-PGDS^<-/->・GALC^<twi/twi>ではTNF-αはL-PGDS^<+/+>・GALC^<twi/twi>の約1/10に減少しており、TNF-α以外の経路を介してL-PGDSが抗アポトーシス作用を持つことが示唆された。 L-PGDSのリポカリンとしてのサイコシンに対するスカベンジャー作用に関しては、in vitroにおけるサイコシン添加によりL-PGDSの酵素活性が上昇することが示されたが、円偏光二色性解析や表面プラズモン共鳴ではL-PGDSとサイコシンの間には弱いaffinityしか示されなかった。 L-PGDS^<-/->・GALC^<twi/twi>とL-PGDS^<+/+>・GALC^<twi/twi>脳の間にはプロスタグランディンD_2(PGD_2)量に関する有意差は認められず、GALC^<twi/twi>においてはD-typeプロスタグランディンレセプター(DPR)の発現は脱髄の進行と同時に増加していくが、造血型プロスタグランディンD合成酵素(HPGDS)が活性型ミクログリアやマクロファージに強発現しているため、GALC^<twi/twi>においてDPRがどちらのPGDS由来のPGD_2のシグナルを受けているかについては不明である。 要約すると、L-PGDSの抗アポトーシス作用がリポカリンとしてのスカベンジャー作用によるものか、PGD_2産生によるものかについては未だ不明である。TwitcherヘテロとDPRノックアウトの交配が順調に進んでおり、来年度にはDPR欠損twitcherの解析によりL-PGDSの抗アポトーシス作用機構を解明したい。
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