2003 Fiscal Year Annual Research Report
胎児頻拍性不整脈の脳循環における内因性一酸化窒素(NO)の意義
Project/Area Number |
13670829
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
白石 裕比湖 自治医科大学, 医学部, 教授 (40187521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保科 優 自治医科大学, 医学部, 講師 (20291635)
菊池 豊 自治医科大学, 医学部, 講師 (90260835)
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Keywords | 心室頻拍 / 胎仔 / 胎児 / 脳循環 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
綿羊胎仔に完全房室ブロックを作製し、右心室を心外膜側からペーシングした際の血行動態を検討した。 妊娠した綿羊の胎仔を開胸して左心室の心外膜にペーシングリードを逢着した後、心外膜側から房室結節を冷凍凝固し房室ブロックを作製した。その後胎仔を90、120、150、180、210、240、270/分で心室ペーシングして心電図を記録し、右心拍出量、中心静脈圧、大動脈圧を測定した。 中心静脈圧は、ブロック作製前(コントロール)に比べて60/分でペーシングした時に上昇した。大動脈圧は、ブロック作製前(コントロール)に比べて60、90、240/分でペーシングした時に低下した.右室の心拍出量は、ブロック作製前(コントロール)に比べ90、120、180、210、240、270/分で心室ペーシングした時に低下した。 以上の結果から、完全房室ブロックの胎仔において心室ペーシングレート150/分が、中心静脈圧、大動脈圧、右室心拍出量の点で血行動態的に最も安定していた。 緬羊胎仔を270/分の頻拍の状態で脳血流量を頚部のエコードブラ法で測定した。次いで、胎仔の推定体重1kgあたり3mgのL-NAMEを静注した。脳血流は、L-NAME静注後30秒で減少し始め、3-5分で最低値となりこれを維持した。胎仔の頻拍中の脳血流の維持には内因性一酸化窒素が重要で、その欠乏は胎仔脳循環維持に重大な支障を来すことが判明した。
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Research Products
(1 results)