2001 Fiscal Year Annual Research Report
発生・再生における組織間相互作用の分子メカニズムを応用した培養人工皮膚作製
Project/Area Number |
13670864
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
亀田 隆 秋田大学, 医学部, 助手 (00301119)
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Keywords | 分子発生学 / 再生医工学 / 培養表皮 / フィーダー細胞 / Shh |
Research Abstract |
発生・再生における組織間相互作用の分子メカニズムを応用した培養人工皮膚作製を目指し、基底細胞がん発生に関与していることが示唆されるShhシグナルを利用し培養表皮作製法の改良を試みた。培養表皮作製にフィーダーとして広く利用されているSwiss-3T3細胞に遺伝子導入法を用いて外来的にShh発現ベクターを導入後、薬剤選択を行いShhを発現している細胞株の樹立を行った。放射線照射により自己増殖能を失ったフィーダー細胞を用いて初代培養ヒトケラチノサイトによる人工表皮作製を行ったところ、Shh発現フィーダー細胞を用いることで作製に要する期間を短縮出来ることが明らかとなった。本フィーダー存在下では通常の培養条件よりも細胞サイズの小さなケラチノサイトが増殖する傾向があり細胞の成熟が抑制されている可能性がある。またこのフィーダー細胞によるケラチノサイト増殖促進効果はShhシグナル伝達の特異的阻害因子であるサイクロパミンの添加によって抑制された。これはこのフィーダー効果が外来的に発現させたShh遺伝子産物によるものであることを強く示唆した。分子生物学の知見を再生医工学へ利用することは非常に効果的であると考えられる。
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