2002 Fiscal Year Annual Research Report
エピプラキンの機能-in vitro,in vivo解析とマウス遺伝子構造解明-
Project/Area Number |
13670892
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Research Institution | Oita Medical University |
Principal Investigator |
藤原 作平 大分医科大学, 医学部, 教授 (90181411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 秀克 大分医科大学, 医学部, 教授 (00222430)
澁谷 博美 大分医科大学, 医学部, 助手 (60253788)
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Keywords | 水疱性類天疱瘡 / プレクチン / ヘミデスモゾーム / 基底膜 / 表皮細胞 / 中間径フィラメント / 細胞接着 / エピプラキン |
Research Abstract |
エピプラキンは、15.2kbのcDNAでコードされ、5065個のアミノ酸からなる推定分子量552kDaの分子である。このプロジェクトでは、ヒトの遺伝子単離とその構造決定ならびに個体によるバリエーションを検索した。エピプラキンのヒト遺伝子(EPPK1)を、cDNA断片をプローブにして、ヒト白血球由来遺伝子ライブラリーをスクリーニングし単離した。さらにカルボキシ末端の5回繰り返し構造の支配領域(8kb)を、HeLa細胞のDNAを鋳型にPCRにて増幅し、これら両者とHeLa由采cDNA塩基配列とを比較した。その結果前者とcDNAとの配列の差異は30箇所存在し、その中でアミノ酸の違いを意味する部位は19箇所であった。後者とcDNAとの配列の差異は40箇所存在し、その中でアミノ酸の違いを意味する部位は30箇所であった。 カルボキシ末端の5回の繰り返し構造内に、GCCのリピートで構成されるマイクロサテライト構造が認められたため、この部分の個体による遺伝子多型を、ライブラリー由来、一人の日本人由来、HeLa由来で比較した。その結果、GCCリピートが5、8、9回とバリエーションが見られ、一部GCCからACCへの1塩基置換が認められ、AlaからThrへのアミノ酸置換を意味した。さらに血縁関係のない日本人50人のDNAを抽出し、カルボキシ末端の最初の繰り返し構造内のGCCリピート数をPCR後塩基配列を検討した結果、5、8回のリピートが多く見られ、9回のリピートも一部の個体に認められた。以上の結果は、ヒト・エピプラキン遺伝子に多様性が存在することを示している。GCCリピート数の個体による変化は、マイクロサテライト多型と呼ぶべきものであるが、マイクロサテライトの病的異常はトリヌクレオチド・リピート伸長病としていくつかの神経疾患で報告されており、今後この欠失または重複遺伝子を表皮細胞に導入し、その病的意義を探りたい。
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Research Products
(1 results)