2002 Fiscal Year Annual Research Report
可溶性HLAテトラマーによる抗悪性黒色腫T細胞のクローニングと免疫応答の解析
Project/Area Number |
13670901
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
桜井 敏晴 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20101933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199334)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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Keywords | HLAテトラマー / CMV抗原ペプチド / HLA-A^*0201 / HLA-A^*2402 / CTL |
Research Abstract |
本研究の目的は、HLAテトラマーを用いてメラノーマ患者におけるメラノーマ抗原特異的T細胞の免疫学的動態を解析することである。本年度は、そのモデルとして造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス(CMV)特異的T細胞の免疫学的動態を検討した。 (1)CMVpp65-495/HLA-A^*0201(CMV/HLA-A2.1)テトラマーとCMVpp65-328/HLA-A^*2402(CMV/HLA-A24)テトラマーを作製した。(2)健常人末梢血単核球とHLA-A^*0201結合性CMVpp65-495(NLVPMVATV)及びHLA-A^*2402結合性CMVpp65-328(QYDPVAALF)ペプチドを用いてCMV特異的T細胞の誘導を試みた。CMVpp65-495特異的T細胞は、HLA-A2.1^+8例中7例に誘導され、CMV/HLA-A2.1テトラマーの特異的結合も確認された。またCMV/HLA-A2.1テトラマー陽性特異的T細胞数とIFN-γ分泌量には相関が認められ、HLA-A^*0206やA^*0207の健常人からも誘導された。しかしCMVpp65-328特異的T細胞は、HLA-A24^+10例中2例にしか誘導されず、テトラマーの結合性も確認できなかった。従って、CMVpp65-495はimmunodominant peptideであり、HLA-A2^+患者におけるCMV特異的T細胞応答のモニタリングに使用できるが、CMVpp65-328は免疫原性が低く、モニタリングには使用できないことが示めされた。(3)さらに造血幹細胞移植後HLA-A2^+患者の末梢血中CMVペプチド特異的T細胞のモニタリングの予備実験を行ったところ、CMV/HLA-A2.1テトラマーとELISPOT法(IFN-γ分泌細胞)の結果には相関が認められ、HLAテトラマーは十分に免疫モニタリングに使用できると考えられた。
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