2002 Fiscal Year Annual Research Report
放射性核種標識ポルフィリン誘導体の悪性腫瘍集積機序の解明に関する研究
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13670906
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
秀毛 範至 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50261417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
油野 民雄 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30019963)
大崎 能伸 旭川医科大学, 医学部, 講師 (30191935)
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Keywords | ポルフィリン誘導体 / P388 / 薬物動態 / ATN-10 |
Research Abstract |
In vitroでTc-99m-DTPA-ポルフィリン誘導体(ATN-10)の腫瘍細胞親和性をマウス白血病細胞(P388)を用いて検討した。P388とATN-10との親和性は、平衡定数(Ka)で6.2x10^2であり、この値は、ポルフィリン誘導体とアルブミン、トランスフェリン、LDLリポ蛋白などの血漿成分との親和性と同じレベルであった。また、P388、1細胞あたりに結合する最大結合ATN-10分子数は、3.1x10^9であった。ATN-10とP388との結合をPBS中と血漿中で比較した結果、血漿中では、P388とATN-10の結合は、PBS中の30%に抑制された。しかし、この結合抑制は、過剰の非放射性ATN-10を加えた場合は認められなかった。ヒトにおける安全性、体内動態を3例の健常ボランティアを用いて検討した。Tc-99m ATN10(0.1mg,0.5mg/kgの2 dose,2回投与)を静注後、24時間まで、経時的全身イメージングを行うとともに、採血、採尿を行い、体内動態を検討した。主な分布臓器は、肝、骨髄、腎、膀胱、腸管であったが、体内動態は、非線形性を示し、0.5mg/k doseで、血中クリアランスの遅延、肝集積率の低下を認めた。HPLC分析の結果ATN-10は、種々の血漿成分のピークに溶出され、特定の血漿成分との結合は認められなかった。排泄は腎を介する尿中排泄、肝を介する腸管排泄の2経路であったが、体外排泄速度は遅く、24時間における体内残留率は80%であった。これらのことから、ATN-10は、種々の血漿成分と飽和性に結合し、血漿成分と結合したATN-10は、腫瘍細胞との結合に関与しないか、あるいは結合しにくいことが示唆された。また、ヒトの体内分布は、非線形性を示し、血漿蛋白のみならず肝などの主な代謝臓器にも飽和性に摂取されることが示された。
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Research Products
(1 results)